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2011.06.29

速報→「確率論」岡田あがさ×須貝英

2011.6.26 17:30

岡田あがさ、須貝英という二人の役者の魅力あふれる演技を楽しむ40分。26日まで雑遊。

空港で足止めを食って、居合わせた男女。緊急を告げるアナウンスを聞き取れず、日本人らしい男に声をかけた女。すこしおびえる気持ちの女に、それは確率としてとても低いのだという。

作家の女、金融商品を開発する会社員という二人。その出来事に出会うかどうかの「確率」をめぐってのさまざまの会話。それらしい感じではあるけれど、物理が確率としてできあがっているというのは現代を生きている私たちにとっては量子が登場する以前のスキームなので違和感を感じる向きもありそうです。それでも、金融商品開発とか、あるいは私たちの生活の実感という点では、むしろ、この時代の「ラプラスの悪魔」の時代の方が感覚的に腑に落ちるようにかんじられます。もっとも、劇中で語られるように直感なんてものは信用ならないわけですが。

岡田あがさ、とくに舞台に現れた瞬間の美しく可愛らしく感じ取れるのはちょっとびっくりする感じ。美しくはあっても、可愛らしく見えるというのは今までない感じです。須貝英はほぼ始終冷静な抑揚の少ない男。珍しい感じだけれど、かっこいいなぁ。

理系の大学に行った割には工業系だったからといいわけしつつ、こういう物理論にはダメなアタシです。なので、 宇宙のすべてを把握しているという「ラプラスの悪魔」も恥ずかしながら新鮮で、そこから 感情まですべてが必然になっていくという感覚は新しく感じるのです。

どれほど理屈を並べ立てても、物語の結末は人々の想いに帰着しているような気がしてならないのです。それは二人の俳優を見慣れているから過去の役が重なって見えてしまうからかもしれません。でも、静かな中に、ほんの少しだけ動く気持ちというのは説得力を感じるのです。

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