速報→「帝国」セカイアジ×劇26.25団
2011.6.4 14:30
劇26.25団の杉田鮎味とセカイアジの星野多過去の共同作演のニーゴーアジの公演。5日までギャラリー・ルデコ4。90分。
日本のパリを標榜する我忘市は自治体を挙げての芸術支援を売りにしているが、その政策に対する批判も多い。亡くなった一人の画家。古物商にだまされて描いた模倣画の詐欺幇助で罪に問われ無罪になったにも関わらず、突然亡くなってしまった。残された二人の娘は未公開の絵も含めて処分をどうするか迷いながら、知り合いのギャラリーオーナーの勧めを受けてすべてを非公開のオークションにかけることにする。一方、市の芸術振興課職員は最後に市が依頼した絵の行方がわからずたびたび訪れる。オークションには画家のファン、裸婦画のマニアックなコレクターなども集まってくる。未公開の所蔵品の中には、マニアの間では相当に有名な裸婦画も混じっている思われている。
芸術振興都市に隠された黒い謎と、画家の死を巡るミステリー風味。当日パンフにある二つの劇団の「ちょっと変わった人々」や「シュール」が作用してかどうか、追いコンだ感じというよりは、もうすこし緩い感じで苦笑系混じりの不思議な味わい。
これも当日パンフによれば「フジコフジオ方式」という協議したプロットに二人が互いに書いたもの持ち寄り、演出するという形に。最終的な書き起こしや役者への伝達を一つのチャンネルに絞ろうという努力はされていて(それはまっとうで正しいことだと思う)、正直に言うとアタシに彼らが本当に描きたいのが「人々」なのか「謎解き」なのかがいまひとつアタシには見えない感じ。もちろんどちらかにしないといけないということはないし、異物感という感じでもありませんが、食い合っているというよりは突き抜けることを遠慮しているかのように感じてしまうのです。あるいは、実は何々、という登場人物もある種の荒技なので、多用しちゃうと実は物語がぼやけちゃうように思うのです。
圧倒的にコミカルにキャラクタを作り、舞台をかき回す「ドミンゴ」を演じた長尾長幸は舞台のテンポを作ります。芸術振興課職員という公務員でありながらむしろ怪しささえ醸し出してしまう杉元秀透も存在感。須藤真澄はギャラリーオーナーはあめ玉で相手の懐に入るというネタの人なつっこさが出てしまうのは役柄としてはいたし痒し、最初の先回りのテンポがちょっとおもしろい。
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