速報→「一本背負いブルース」ハリケーンディスコ
2011.5.14 14:00
福岡発の劇団、アタシは初見です。115分。参宮橋トランスミッションで15日まで。
大学を出たのにバイト生活をしている友人を、金貸しの男が仕事に誘う。中州のクラブの取り立てを替わった男は、それまでの脅し一辺倒から、着実な返済計画で確実に回収することに成功し、めきめき頭角を現し、暴力団に目をかけられるようになる。
仕事がないまま旅を続ける男女、どうにもだめ男なのに惹かれてしまう女は、それでも男を叱咤激励する。男は大金の入る仕事を見つけたという。それは、自転車事故で法外な請求を受けた男が、勤め先のDJクラブ金に手をつけようとする手伝いなのだが、そういう仕事だということは知らされていない。
ほとんどが福岡の言葉、なにを云っているか判らないという感じではありませんが、どちらかというとチンピラ、水商売のような、昭和の香り漂う迫力のある言葉が並びます。
「くだらないバイト」と揶揄して、しかし学校の頃からの友人なので目をかけ、助けようとする男、旭。こちらも昭和な感じの人のつながり。大卒なのにジャージ姿で引きこもり気味の友人・勇次は、誘われ金貸しになり、頭角を現し、一人前のチンピラに育っていくに従い、二人の立場は 完全に入れ替わっていくのです。本当の暴力団に取り込まれてしまうことを危惧する旭と、おもしろくなってしまったのか、頂点を目指したくなったのか突き進む勇次の物語は暑苦しいほどに男っぽく。バットを打ち合う二人のシーンは、グラインダーの火花と相まって、ちょっと劇画っぽくもあり美しい感じ。筑豊の炭坑の出で、親の残したゆいいつの「炭団」を肌身はなさず持つ男の目に映る蒸気機関車、というのは唐突と云えば唐突なのだけど、叙情的ですらあって、最後にどーん、という意味でのアングラっぽさが満載。
二人の男を演じた鎌田貴嗣・石橋勉の熱さはに引き込まれる感じ。まじめではあるのだけど、人とズレている感じを自覚できない40過ぎのダメ男にひたすら尽くす女を演じた異儀田夏葉は、一つ一つの会話が、笑いを生んだり想いが詰まっていたりとダイナミックレンジがおおくて新しい一面を見るようで印象に残ります。クラブオーナーを演じた江崎稔の、すこしひねたような、斜に構えたような雰囲気も印象的なのです。
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