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2011.05.05

速報→「淑女」ブス会

2011.5.2 19:30

大人気の公演、当日キャンセル待ちでなんとか潜り込みました。75分、3日までリトルモア地下。

個人宅の清掃を請け負う会社の事務室。パートに支えられている。古株の二人、モデルをしている女。そこに新人が入ってくる。

アタシの好物、という女性ばかり少人数の会話劇。彼女たちの日常を覗き見るような感覚は楽しいのですが、内在する悪意こそが物語のカナメだと思うのです。

たった4人、舞台には出てこない仮想敵との関係、あるいは仲の良さそうな二人だったり、仕事に身の入らないちゃらっとした感じだったり、若いのにしっかりしてる人だったりのキャラクタがしっかり。カラオケをめぐる人間関係の些細な揺れで更にお互いの関係の強さや諸さも提示しながら進みます。

前半でしっかり作った土俵の上で、 それぞれの正体が明かされていく後半はさまざまなことが次々と起こって楽しい。実は、実は、みたいな繰り返しはヒーローものの悪役のようでもあって(物語は全くそんなことはないのだけれど)、おもしろいのです。

そんなことがあって、空中分解したかに見えた終盤、終幕近くで、再びこのチームで仕事に向かうというのは今の女性たちの力強さとあいまって、仕事への真摯さ、あしたへの元気がもらえるようで、素敵なのです。

リーダーを演じたもたい陽子は少々押しつけがましい明るさと引っ張る力。サブリーダーを演じた岩本えりは気に病む感じがキャラクタとして強くてかき回す立場としてもきっちり。仕事に身の入らない女を演じた遠藤留奈は眼福だったり刺激的なシーンも多いし可愛らしい役者なのに、これが女たちの中でもヒールにならないようになっている力。新人の女を演じた望月綾乃は作家というもののある種の意地の悪さを見せているような視座、あたしの身近ではないけれど、おもしろい感じ。

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