速報→「さよならバカヤロー」デフロスターズ
2011.5.14 19:00
アタシは初見です。映像畑らしいユニットの演劇公演。110分。15日まで高田馬場ラビネスト。
宮崎の電気工事会社社長だった父親が亡くなり、東京に出ていた弟は葬式で社員たちの望みをかなえようと、会社を継ぐことを決心するが、経験を積むためにしばらく近くの同業の会社で働くことにする。母親は戻ってきて一緒に暮らせるようになることが嬉しいが、姉は、本当に働くことができるのかと懐疑的だった。
弟はしかしほどなく仕事のしんどさに口数も少なくなりまじめさも失っていく。姉はいつまでも独りでいることを心配した友人夫婦が人の良さそうな男を紹介してくれることになった。
田舎に戻ってきた男、その家族たち。情にほだされて社長を引き受けようとしたものの、現実はそれほど甘くなくて、という物語が骨子。これから社会に出ていこうという世代特有の、まだ選択肢がたくさんあって、でも家族のこと、父親を継ぐことというしがらみのようなものとの板挟み。
演出のベースはストレートな新劇っぽいつくりだけれど、語られているのはミニシアターでかかりそうな邦画の物語。ベタといえばベタだけれども、それが作演に見えている世界なのだろうと想うのです。鬱々とした弟、まじめだけれど男とうまく付き合うことが出来ない姉の物語とあわせて、どこか巧くかみ合わない世界を。爽快感のある物語ではありませんが、執拗で丁寧です。
人のいい恋人、を演じた佐藤達は得意技の領域にある「木訥としたいい人」を存分に。結果として全体に笑いのとりづらい物語のなかで、きちんと客席を沸かせ、リズムを作り出す安心感。母親を演じたほりすみこも安定しています。
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