速報→「わが星」ままごと
2011.5.1 15:00
2009年初演であっさり岸田國士戯曲賞を受賞した「ブレイクビーツ・ミュージカル」の満を持しての再演。1日まで三鷹市芸術文化センター星のホール。90分?。いわき公演は残念ながら中止ですが、ツアーは三重・兵庫・愛知・福岡へ。サイトで余韻を楽しむのもいいのです。
団地に引っ越してきて友達ができて、お姉ちゃんと喧嘩して、家族の団らんがあって、誕生日に望遠鏡もらって、次のがほしいから自分で回ってどんどん時間を進めて。「ちーちゃん」が生まれてから、死んでいくまでをずっと見つめている男の子。何万光年も離れていてもう、その娘はそこには居ないのだけれど、会いに行く。
初演も観ているし、私にしては珍しくわりとちゃんと覚えてる芝居なのだけれど、再演の印象はびっくりするほど変わりません。もっとも、開演の時の時報など、もっと「口ロロ(くちろろ)」の「AM0:00:00」という独立した曲とのコラボっぽさを全面に押し出していた初演に比べると、もうアルバム発売後だからか、「わが星」の世界にすんなり一体にとけ込んでいて、これ全体が一つのパッケージになっていると感じます。
初演のDVDと見比べると、団らんのシーンをもっと広げていたり、細かいところで調整しているのがわかります。円形の客席のどこに座るかは迷いどころだけれど、アタシが座った10時の場所(音響卓、というか演奏場所を6時として)は、わりと満足な場所でした。終盤のスターボール、あるいは団らん、正対するふたりなど、きっちり。
星が生まれて滅亡して、それを見ている「僕」がボーイミーツガール、なんだけれど、それを見ているアタシたちの方が初演と再演の間で変わってしまいました。星の一生というほどではないにせよ、滅亡とか、死んでしまうということがあのときよりもずっと現実のアタシに隣あったものして感じられるようになってしまった今では、特に終幕近くの明るいリズムで奏でられる「滅亡」は、もっともっとアタシにせまったものとして感じられるようになっているのです。
それにしたって、びっくりするほどにそのリズムに身をゆだね、物語に浸り込んでしまうあたしなのです。女の子が出会い友達になり、「ままごと」をするシーンも、父・母が毎日という日常を繰り返すシーンも、寿命が近いテレビの前の団らんのシーンも、実にいとおしいのです。最近はなるべく買わないようにしていたDVDだって戯曲だって調子に乗って買い込んでしまうぐらいに浸り込んでしまうのです。
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