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2011.05.08

速報→「パイナップルの食べすぎ」ナカゴー

2011.5.6 15:00

ナカゴーの新作。65分。3つの物語を交互上演のうちの表題作は、客演主体で構成。8日まで阿佐ヶ谷・アルシェ。

近所のうちに小さい頃からよく遊びに行っている女の子。おじさんとおばさんは親切に次々とパイナップルを食べさせてくれる。家にはペットの掃除機と付属品のヒトが居て、とてもかわいがられてるし、女の子にもなついている。近所のなかさんは気っ風もよくて、でもご飯食べさせてくれとよくくる。女の子のバイト先の店長は言い寄るためにこの家を捜し当てて訪れる。そこに、商店街でパン屋をやっている女が訪れる。店を閉めるのだという。かつて飼っていた掃除機は死んじゃったけど、彼氏ができて引っ越すのだという。突然女は、おじさんおばさんの二人にこれで対等になったのだと、食ってかかる。

ゆるゆるとした前半。飼われている掃除機と付属品のヒト、というあたりで笑わせている感。

主体となるのは最後に現れる女の突然の怒り。いままで劣等感の固まりだったのだと食ってかかる女を一人で背負った墨井鯨子が圧巻。平行線で全く議論が組み合わないまま一方的な怒りが果てしなくループする徒労感をどっぷり。 ループをひたすら繰り返すという手法の芝居というのはあまり得意じゃないアタシですが、そのイヤな感じが迫ってくるよう。論理は無茶ぶりの一点突破、標的は誰彼かまわずなわけで、しかも途中までは表情を見せないままやっているので、怖い感じすらあって、役者の力を感じます。

そこに至る直前、自分の不幸と彼氏ができたのだと告白するあたり、背中を向けて横になったり仰向けになったりするあたりが妙に色っぽいのは不思議な感覚。そこに物語の意味があるわけじゃないとおもうのですが。

「なかさん」を演じたシンクロ少女・シンクロ少女ののべらんめい、ところどころ落語の口調もちょっと好き。色っぽさに振った芝居が多い彼女なのだけれど、その親方気質というか江戸っ子みたいな感じというのは意外にあってる感じ。藤原よしこ・加瀬澤拓未はにこにこした感じが、不幸の降りかかる感にうまくマッチします。それにしてももっともターゲットとなり、いじめられ方が半端じゃない藤原よしこは役とはいえ少々お気の毒な感も。

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