« 速報→「バナナ学園★王子大大大大大作戦」バナナ学園純情乙女組 | トップページ | 速報→「解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話」趣向 »

2011.05.25

速報→「DUST CHUTE UTOPIA」PLAT-formance

2011.5.21 19:00

PLAT formance、桜美林大学での企画公演を全面刷新したもののようです。100分。23日までタイニイ・アリス。公演終了後にセットリストが公開されています。

暗い作業場所に白いレインコートのようなものを着て集められた人々。石炭の採掘、とは云っているが何の作業かは今一つわからない。金をためようと思ったり、他に仕事がなかったり。「Prorlogue - introduction(前説)」「4-1 UTOPIA-USER」「4-2 UTOPIA-LOVER」「4-3 UTOPIA-BUZZER」「4-4 UTOPIA-BACKER」
トゲムという名前もの。最初は木彫りのアクセサリーだったはずなのに、いつしかさまざまな機能を持つようになり、いつしか短いスパンでの新製品を客たちが望むようになっている。その工場、新製品の世間の期待が高まる中、発表は間近に迫っているのに、新製品につける新しい機能のアイディアがまったく出ない。いるのはデザインの担当者、事務職の女子社員、やたらに元気のいい新入社員。出入りの木材店、取材に訪れたライター。「1. Useful-Needless」
引っ越してきたカップル、手伝ってくれる男友達に任せきりで二人はいちゃついている。もう絶対に離れたくない二人。隣には扉の奥からじっと見つめる女が居た。「2. From BOX」
婚約指輪がはずれなくなったといって夜中に友達を呼びつけた女。よくよく聞いてみれば、彼氏は元カノと頻繁にあっていて、本当に婚約なのか甚だ怪しい。でもそれは人の男を強引に盗ったからなので。「Girlly×Girly×Girly」

作業場の物語を橋渡しにして、3つのものがたりをつないでいる構成。最初はバラバラの物語にみえるけれど、それが終盤になって、時間軸がはっきりとして、するするとつながっていくさまは、スタイリッシュでかっこいい。

作業場の物語、人がつながる希望のようなものをみせつつも、レインコートの白い作業着姿、無機質な無数の配管を思わせるセット、外部から遮断されていつ終わるともわからない作業をしているすがたから、原発建屋内部での作業というある種の絶望的状況を想起せずにはおれませんが、それを直接に描いたりはしていません。

工場の物語(Useful-Needless)、掃除ばかりさせられているうざったい男の話は終盤でその種明かしでロボットらしきもの だったのではないかというのがどこかSFっぽくてかっこいい。単にちょっとしゃれたというだけのものだったはずなのに、いつしか起きた機能競争と、そこから先に進めなくなってしまったというのは、日本のものづくりのある種の絶望感に透け見えたりするのは、ちょっとあたしの思いこみにすぎるでしょうか。女子社員を演じたハマカワフミエがばっちり決めるビンタが気持ちいい。

引っ越しの物語(From BOX)、理不尽なほどに手伝う男に仕事を任せっぱなしのカップルはある種シュールに映ります。引っ越しのために買ったのがアナログテレビにVHSデッキというのがちょっとおかしい。AVコードの配線がいつしか亀甲縛り、というのもするすると決まります。

アタシが一番好きなのは、女二人のぐだぐだ話(Girly×Girly×Girly)。しかも恋愛にまつわる、というあたりでもっとも。エピローグに繋がる、友達が少なそうな女子と、自身の破壊力で恋愛にひどく前向きなのに自覚のない女子の仲よさそうな、そうでもないような感じの距離感が楽しい。しかし、ラン、スウ、ミキって、時勢に乗ってる感じもスタイリッシュ。いろんな意味で破壊力一杯の堀奈津美、惚けてるような突っ込んでるような黒木絵美花の掛け合いの絶妙さが実に好きなのです。

|

« 速報→「バナナ学園★王子大大大大大作戦」バナナ学園純情乙女組 | トップページ | 速報→「解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話」趣向 »

演劇・芝居」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 速報→「DUST CHUTE UTOPIA」PLAT-formance:

« 速報→「バナナ学園★王子大大大大大作戦」バナナ学園純情乙女組 | トップページ | 速報→「解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話」趣向 »