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2011.05.01

速報→「堕落ノ詩」BLUES

2011.4.29 20:00

松本で学生劇団を謳うBLUESの三回目公演。90分のアナウンスに対して110分ほど。上土ふれあいホール、30日まで。

お嬢様の誕生日には毎年余興を見せる若い執事たち。今年の余興の台本があがらず、1時間ほどでいい加減に書いた話は、貧乏な夫婦が娘の誕生日の思案にくれているところに強盗が押し入ってきて、父親に妻と娘を殺せば命を助けてやるという..という話だった。あと1時間で本番だというのに、もっとお嬢様に気に入ってもらおうと、好きそうなことを取り入れて台本を変えようとしている。

劇中劇としてちょっと無理筋な一つの物語を、貧乏な夫婦の話、SF風味、ラブストーリー、サスペンスなどとさまざまにアレンジを加えて行きます。特に前半は笑いを多めに(じっさいのところ、観客の主体である学生とおぼしき女性たちは実によく笑うのです。で、その空間にいることはアタシ結構好きだったりします。←芝居の話じゃない)しています。終盤でそこからすとんと落とすあたりの発想はちょっとびっくりしますが、時間がかかりすぎているように感じるのがもったいない感じ。

前半はセットが安っぽいのはご愛敬としても、そこかしこでかんでみたりと、全体に完成度という点で厳しいなぁと感じるのもちょっともったいない感じ。もっとも、それをあえてやってる気がしないでもありません。劇中のキャラクタに頼って笑いを取るのも、後半になれば生きてきます。 ★ネタバレかも★

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一年前に屋敷で起きた事件、窓の向こうに見えていた、娘が殺され、手をかけたのは脅されたとはいえ実の父親。その父親はそしらぬ顔でそれまで通りの生活を続けているけれど、それを窓から見ていたのは執事たち。終盤であかされるのは、彼らが可愛がられていた飼い犬だということなのだけれど、なるほど人間への忠誠という感じだし、目撃者たちの復讐劇という枠組みを見せるのはうまい感じがします。

必ずしもうまい役者がそろっているわけではありません。B級アイドルのような微妙さが漂うのもよしあしです。繰り返しの手法や実はちょっとブラックでほんのり暖かさがあったりする物語は若い役者の芝居に向いていて、なかなか見せる感じ。演劇が必ずしも根付いている訳ではないこの場所なので、ちょっとコントっぽくして見せやすくしているのは悪いことではありませんが、実は結構ハードル高いのだよなぁ、コントって。この物語をほんとに90分弱に濃密に作り出せればなあと思ったりもします。

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コメント

かわひ様

学生演劇BLUESのチヒロと申します。
このブログを拝見し、非常に感動いたしましたので、コメントを書かせていただきます。

この度は「堕落ノ詩」をご覧いただき、ありがとうございました。

役者一同、非常に楽しかった反面、多くの反省点にも気付かされた公演でしたが、
かわひ様のように、我々の良いところも悪いところも正当に評価していただける方に出会えると、
本当に公演を行って良かったと思えます。

これからも、多くの方にまた観たいと思っていただけるような舞台を作って行こうと思います。
宜しくお願いいたします。

投稿: チヒロ | 2011.05.03 21:49

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