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2011.04.04

速報→「無い光」MU

2011.4.3 18:00

MU三本立て公演のもう一本は、「視点」と題された企画公演の中の一本を加筆改訂、男女反転した65分。3日までOFF OFFシアター。

臨死体験をした人々のインタビュー記事を連載しているライターの女。臨死から帰還した人々が例外無く「光を見た」という、という流れで連載が続いている。最終回としてインタビューしているのは有名なイラストレーターの男。同窓会をきっかけにやけに世話焼きな女もついてきている。三人は中学の同級生。締め切りまで間がない夜、ライターの家に来てインタビューの大詰めを迎えている。
終電の時間も近くて帰宅する男、中学校の頃に借りたままだったものを返すといって紙袋を渡す。懐かしいCDや本に混じって「遺書」と書かれた封筒が入っている。

実際のところ、トンデモ臨死体験になりかねないベース、そこから広がる実際の人々の思い。笑いは少ない物語だけれど、ぎゅっと65分の濃密さとあいまって見入るのです。

テキストはかなり大幅に増強した印象。もともと鴻上尚史の「トランス」へのオマージュとして書かれただけに、同級生、屋上の体験、というエッセンス。それよりもずっと下の世代らしく、合法ドラッグ的な尖ったものと、世話焼きな女のある種の強引さという時代の持つ優しさが同居する感じは新しい時代を感じさせます。

ライターの女を演じた古市海見子の恥ずかしがる告白のシーンが好き。アシスタントの年上の男を演じた成川知也、ほぼ一回り違うという(当日パンフでは10歳上、なんだけど)、年下の女に寄せる恋心が切なくて、でも告白できてちょっとうれしく思うアタシはどうなんだ、中学生か。世話焼きを演じた渡辺磨乃、ある種のうざったさをコミカルにしかし真摯に。

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