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2011.03.07

速報→「漱石小遣帖」菅間馬鈴薯堂

2011.3.5 15:00

菅間馬鈴薯堂の新作。「台所から見た夏目漱石」を描く90分。7日まで王子小劇場。公演前から草稿がサイトにアップされていたりして、ページの体裁は素朴でも実に「今」を感じさせる劇作です。

明治44年の5月末、漱石が修善寺で吐血し死にかけたあとの非。妻の鏡子が身ごもり、女中のお房が名古屋に嫁ぎ、長男がジフテリアにかかり、という日々のこと。

漱石の史実を取り込みながらも、軽快な語り口だったり音楽に乗せたりと、不思議なファンタジーの仕立て。登場人物がずらりと並び口上のように自己紹介したりという軽快さを見せたかと思えば、嫁ぐ女中と奥さんの静かな会話劇だったり、あるいは強烈な夫婦喧嘩を見せたかと思えば、互いを思いやる気持ちの交錯が見えたり。物語というよりは、風景の点描を手を変え品を変え見せる、という感じがします。

草稿を書いたものとして読むと題材もあって、少々古い言葉な感じはします。でもそれを俳優が喋るときに、そこにある、私が生きている今の空気もまとうようにかんじる言葉が並ぶのです。

夫婦喧嘩の迫力あるやりとりとそこはかとないウィットがなかなか若い作家では書けないような感じ。演じた小田豊のとぼけた感じも、稲川実代子の高いテンションも印象的です。くず屋を演じた加藤和彦の軽やかさも印象に残ります。

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