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2011.03.07

速報→「したごころ」恵比寿駅前バー

2011.3.6 16:30

エビス駅前バーを使ったオムニバス形式で4本、ロングラン。60分。12日まで。チケット料金とは別に1ドリンクの注文が必須、というスタイルです。ちらし持参や、「したごころ」割引が設定されています。こちらも予告編映像があります。

ゆるやかに繋がる四つの物語。
(1)勉強に余念がないけれど、レシピも会話もいまいちあか抜けない女性のバーテンダー。木曜日だけの雇われだが、料理blogで人気が出た幼なじみと一緒に週一回、店を任されている。
(2)マダム風情の身なりのいい女、待ち合わせたのは若いホストの男。男は偶然居合わせたチンピラ風の男に弱みを握られているよう。ホストではあっても、真剣に結婚すら考えている男が意を決して告白しても、女はすでに結婚を決めていて。
(3)恋人の男を連れてきた常連風の若い女。結婚の約束をしていて海外挙式をどうするかなんて会話をしている。が、バーテンダーはその女が別の男とも婚約していることを責めるが女は意に介さない。別件の待ち合わせに訪れた別の女が、その男を別の名前で呼んでしまって。
(4)待ち合わせの女。チンピラ風の男とつきあっていて、女は自分が悪いのだと自分を責めて、別れることができないという。居合わせた男はこの手のもめ事に詳しく、それはカウンセリングによって低すぎる自己評価を正しくして別れる方策を練ろうとする。

(1-2)忙しかった一日、互いにいい歳の二人、親もうるさい。結婚なんてさらさら考えていないのだけれど。

バー公演数あれど芝居のために料理を用意するというのはさほど多くありません。料理やカクテルのレシピをうまく織り込み、恋や愛の小さな物語を作りだします。レストランとバーという形の違いはあれど、遊◎機械全自動シアターの人気企画「ア・ラ・カルト」を彷彿とさせる感じ。

小気味いいちいさな物語、その間に挟まる「客の流れ」を示すインターミッション。たとえばふわふわしたまま金も払わずに帰る女だったり、「ノルウェーの森」を持って顔を知らないまま待ち合わせた文学カップルのすれ違いとか、終電で走って帰る女二人連れとか、茶番ちゃあ茶番、コスプレといえばそうなんだけど、これがなかなかで、「バーという半公共の場所」を印象づけます。

探偵を演じた山﨑雅志の誠実さと妙な正義感。 空気読めない、少々間抜けなバーテンダーを演じた蒻崎今日子は、ありそうでなかなかない役柄で新鮮、コミカルさの間のすごさのようなものが。 美しいのに真面目さゆえにあか抜けない、さらに不幸が似合ってしまうという意味で鈴木麻美は今作においても絶品で、強く印象に残ります。まさかの看護師役二連チャンなのだけど、ぴったりなのです。

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