速報→「裏屋根裏」燐光群
2011.3.27 14:00
燐光群2002年初演の代表作を初めてスズナリ公演。140分。31日まで。
一人が寝ればほぼいっぱいの小さな組立式ボックスは稀少なオリジナル版からコピー版が大企業からも発売されたり、改造用パーツ、マーケットまで発生して一大エコシステムとなった。オリジナルには人型の落書き「屋根裏ハンター」が描かれていてオリジナルの証となっていた。
いわゆる引きこもり、夫から逃れたい女、張り込みの刑事、避難用山小屋の代用、とアングラではあるが広がりを見せたが、中から死体が見つかるなどの事件を経て禁止されていく。海外の紛争地帯での防空壕、ホームレスの住居などにも使われていく。
男は、学生寮の中に置かれていた屋根裏で死んだ弟のことを追い求めて、製造している工房を探している。
「裏」屋根裏、と題してはいるものの、英語・韓国語をミクスチャしてる以外は拍子抜けするほどオリジナル版と同じ印象。役者はかなりシャフルしているよう。オリジナルでアタシが好きな登校拒否の少女を江口敦子から樋尾麻衣子になっていて。初演では色っぽい女を演じていた彼女の変わりように、ああ、女優って怖いなぁって想ったり想わなかったり。まあ、「ゴリラ」ってあだなつけられそうもないのが難点といえば難点。
初演が2002年。思えば9年も経ってるのだけれど、おもしろさのようなものは衰えず。そういうエポックメイキングが社会を変え、それが禁止されての使われ方のようなものを描いていくのは、「引きこもり」ということ自体があまり目新しさを感じさせない題材になっているにもかかわらず、芝居としての鮮度が落ちていかない感じなのです。
コンパクトな場所にこその価値ってのは、ある種「茶室」につながるようなところがあって、クールに感じさせる、というニュアンスの題材だった気がします。今作はその日本のクールさという部分が減った感じで、もっと冷静な、沈みゆく日本、のようなニュアンスを感じてしまうのは、観ているアタシの側が変わったのかなぁとも思ったり。
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