速報→「南へ」NODAMAP
2011.2.12 19:00
東京芸術劇場に本拠を移して初めての本公演、野田地図の新作。130分。東京芸術劇場中ホール。
微動が続く火山。噴火予知のための観測所があるが、300年間噴火がなかったために職員も噴火するとはみじんも考えず、火口に飛び込む自殺志願者や行方不明の観光客を確保したり、火口の観光の受け入れが主な仕事になっている。自殺志願と思われた女を確保するが、口八丁で職員は手玉に取られてしまう。ここに赴任してきた男は、データを一目見るなり噴火が近いことを読みとる。
山の麓には、古くから続く旅館を三姉妹が切り盛りするが、300年前に火山の噴火を予知したというふれこみで、噴火を予知してみせるという。
ある日、秘密裏に訪れた一行は、天皇の行幸の先触れなのだといい、それを知った地元は大いに盛り上がる。
ネタバレかも
くるかこないかわからない噴火や行幸、その「お墨付き」に乗ろうとする人々、伝えるためにわかりやすい物語を欲するマスコミ、信じたい話を信じる人々。 ある種、説教臭かったり明確なイデオロギーが見えるという芝居ではあると思うのです。すくなくとも途中までは、伝えやすい物語と欲しい物語をめぐるマスコミと人々のものがたりに見えていて、それはあきらかに今の私たちにつながることに読めてしまってなりません。
が、中盤からくるりと。白頭山という具体的な名前が出てくることで、北朝鮮と日本軍を巡る物語になっていきます。次々と速いペースで繰り広げられるイメージから物語は拾うというよりは、強烈な印象を頭に刻み込んでいくのです。朝鮮半島という場所、天皇という制度、見方は中立ではないけれど、作家の訴えたいことをエンタテインメントとして成立させています。この勢いで都の表現規制の条例を描いてはくれないかと思ったりもするのですが、まあそれは個人的な意見で。
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