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2011.02.06

速報→「ここは世界の果てっぽい。」バジリコFバジオ

2011.2.5 14:00

人形と人間の役者というコラボレーションが特色のバジリコ・F・バジオの2004年作の改訂再演。2008年の二本立てと(1)併せて三部作になるという構成のよう。 125分。7日までOFF OFFシアター。

北の果ての小さな町。町を出たきり10年も戻らなかった長女は、つとめていたキャバクラの店長とロシアに逃れるため、子供のころに聞いた密航の手助けをするという男を訪ねてこの町に戻ってくる。次女が看護婦とせ働く診療所にはウニの毒にやられた父親が入院している。末っ子の通う小学校はたった一人の同級生で男同士ととして生きてきたが、どうみても女性にしかみえなくなってきている。

北の果てに密航先に見え隠れするロシア、「三人姉妹」の登場人物をもじった感じとか、後半では不安と泣き声がたくさん、この町のことが嫌で出ていった長女と、出ていきたいけれど出遅れたままこの町で暮らし老いていく父親を看病しながらも旅人とのはかない恋に落ちる次女、オトコだと思いこみ無邪気なまま成長を迎える三女。 当日パンフにあるとおり、衰退していく地方の姿は明確には描かれなくても、この小さな診療所の一室でもそれを十分に感じさせる空気感。そんな町を舞台にして たしかに「三人姉妹」の「印象」。いくつもの物語の断片があるものの、物語の大きなうねりという感じではなくて、どちらかというと好きな役者の個人技が楽しい感じ。

本作に限りませんが、回想シーンや幻想を人形の芝居として見せるのは異なるものを明確にみせるのに効果的。独特の雰囲気で作り込まれていて、この劇団の強い印象のウリになっています。開演前の美輪明宏風の人形による前説は印象が強烈でヘタをすると本編より記憶に残ってしまいそうなのは善し悪し。

鈴木麻美は私の知る限りでは医者役はあっても、看護婦というのは珍しい。序盤の色っぽさや、中盤でみせる説得の声にやられてしまう感じ。吉田麻生は飛び道具感満載のこども役は卑怯なほどに圧巻。男と信じて生きてきたのに成長して女が見えてきて同級生は悶々とするのに無邪気なままという対比が、少々デフォルメがきついとは思うもののがっつりとして安定感。

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