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2011.01.09

速報→「テスタロッサ」ドリルチョコレート

2011.1.8 15:00

MCRとドリルチョコレートがどう違うか今ひとつ判らないアタシですが、騒がしいコメディにみえてなかなか深い恋人たちのものがたり75分。16日までアゴラ劇場。

パンクバンドをやっている三人の男にはそれぞれ恋人がいる。もっとも年上の作詞担当は彼女とラブラブにも関わらず女はヤキモチやき。パンクな歌詞が書けなくなっているのをほかのメンバーに責められている。
ギター担当の男の彼女はどこか冷めていてバンドのライブにも来ないし、もう心が離れている感すらあるが、男は恋しくて仕方がない。
もう一人の男はもっともパンクな言動でバンドを煽るが、その彼女は勝手に練習に付いてきたばかりか、空気を読むこともなく暴れ回る。
作詞担当は元カノからの手紙をめぐる痴話喧嘩の末、彼女に「過去の曲はもう二度と歌わない」といってしまう。が、ライブはもうすぐなのだ。

三組の恋人たちの物語。ラブラブのあまりパンクの作詞に差し支えるほどだったり、ほぼ片思い状態だったり、どう考えても頭おかしいかんじだったりと、人から見たら変だな妙だなと思うようなカップルだって、当人どうしの深いつながりだったり、当人だけにわかる符丁があったり、あるいは些細なきっかけで壊れてしまうような危うさだったりと、三組の恋人たちのものがたりがしっかり。

ネタバレかも

基本的には気楽に笑えるどたばたなコメディの序盤なのだけれど愛してるの言葉を伝えあえなくなるカップルの切ないこと。決してそこで泣いたりしない笑ったままの芝居だからぐっと来る感じ。あるいは別れるカップルの男の一方的な想いも切ない。

どうみても頭がおかしいカップルを演じた川島潤哉(10日まで)と近藤美月がともかくすごい破壊力。特に近藤美月は他人には見えない何かが見えていたかと思うと突然扇情的なことを色気とは別の何かのベクトルでやってしまう感じでほんとうに巧い。川島潤哉は物語を壊す側にたつことが多いのだけれど、それが守勢に回っているようですら。この二人のつながりはどうにも理解しかねるけれど、罵倒しあいながらもシンプルに愛情が二人をつなぐ、という意味ではつかこうへい的なねじれた愛情、という風で切なく思うのです。

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