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2011.01.10

速報→「愉快犯」柿喰う客

2011.1.9 18:00

劇団員の役者5人だけで構成された柿喰う客の新作。これが終わるとしばらく東京の公演はない予定の85分。16日まで東京芸術劇場小ホール2

コトブキ家は金もあるし幸せがずっと続いてきたので不幸とか精神的なストレスに対しての耐性が著しく弱い。それでも大学受験しようとしている息子はがんばる。クリスマスの日、娘が部屋で死んでいた。どこから家族の歯車は狂い始める。

トークショーによれば現代口語演劇の対極にある芝居っぽいものを作るのだといいます。なるほど、新年の口上から始まり、きちんと締めるという形式を重要視した演出。急傾斜の八百屋舞台も劇団員公演らしく。

物語は金持ちすぎて血筋としてストレスに弱くなった一家の狂った歯車、モンスターチルドレンばりの娘が死んだけれど降臨、そこからの後日譚。スピード感と静寂、会話のリズムの緩急(トークショーで作家は一定のリズムにしないために「足をひっかける」のだといいます)。対極のはずの青年団が明るい照明だといっても一定ではなくてゆっくりと明度を変えている、というのに近いかんじがするのです。

劇団員全員の高い身体能力がこの舞台を支えます。玉置玲央のずば抜けているのはもちろん、どの役者もあの傾斜の舞台でひっくり返ったり転がったり飛んだりしながらきちっきちっと決めていくのです。

コロがここまで色っぽい役、というのは劇団の公演では記憶がありません。美しく、強さも色っぽさもあわせもつ役柄と相まって印象に残ります。

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