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2010.12.20

速報→「あなたの部品リライト」北京蝶々

2010.12.18 19:30

2008年の作品を全面改定したのだといいます。90分。19日までギャラリールデコ4。

義肢装具士の職場。片足を失ってもなお情熱を燃やすアスリート、上半身爛れた歌手の手術、ヘルパーの恋人に付き添われた車イスの女。そこに訪れる両手両足を戦傷で失った自衛官。

初演では迫りくる中国に囲まれた日本という国、その国の部品たる国民、という近未来の枠組みだったのですが、リライトと名付けられた本作では、もっと小さな、直接見える/見えた人、という限定された枠になっています。なるほど、少し先のことを描いている彼らにとっての再演ということのハードルの高さはここにあって、追いついてしまった現実をきれいにそぎ落として、物語の骨子を人間の物語ににしてより強く浮かび上がる感じになっています。

完全体という人間はいない、障碍はよりそれをつよく見せるのだけれど、世間でいうノーマルに近く見える装具士と医者の恋人という関係はやがて、ひとつのひずみを持っていることがわかります。それをみている療法士の男の鬱屈。ののしりあうけれど深い愛情で結ばれた夫婦、仲睦まじくみえるのだけれど対等になりたいという気持ちと支配したいという気持ちがすれ違っているのに結果一致する恋人たち、複雑な気持ちを抱えた結果暴走する自衛官。それぞれの人物は誇張してイビツに描かれるけれども、いくつかある立場のどれか一つは観客にフックしそうなさまざまな人物の造型。

舞台の上にいるままだったり、クラップなどリズムを挟む構成はいままでの作演兼ねる形では決して得られなかっただろう、作と演出を分けた今公演の成果。観客の私たちの足元から地続きに感じられる感覚はより多くの観客が感じ取れるようになっていると思うのです。もっとも、電子マネー、格差なんて今までの語り口だって十分私たちの地続きなのだけれど。

静かではないけれど喧嘩しあう夫婦、という妻を演じた帯金ゆかり、きりっとしたクール感を初めて拝見したように思う医者を演じた岡安慶子、クールな顔立ちなのにちょっとおかしかったり不器用な役をやらせると木村キリコは圧倒的にうまい。金子久美は美しいということに説得力、酔っぱらって言い寄るところは茶目っ気もあって落差で楽しいのです。

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