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2010.12.13

速報→「非実在少女のるてちゃん」笑の内閣

2010.12.12 13:00

当初上演しようとしていた劇場での上演拒否、という評判と、再可決直前という絶妙な時期の東京公演。120分。12日までシアターKASSAI。京都での追加公演が予定されています。

都の高校。青少年健全育成条例をつくるメンバーのひとりはこの高校の教師で、その成立を前にロリ、BL、暴力などの同人誌を描いているマンガ研究会を廃部に追い込もうとする。反対の声も上げられない彼らの前に現れたのは、マンガの国から飛び出してきた「非実在少女・のるてちゃん」の主人公だった。マンガに理解のある彼らの担任教師とともに反対の活動を始める。

今提案されている案からは削除されているようですが「非実在青少年」というキャッチーでつっこみどころ満載の言葉から広げた物語の世界。いわゆるロリコンものの規制だから自分は大丈夫だろうと考える私を含めた多くの人々に対する、恣意的解釈のできる表現規制がいかに怖いものかを描き、その向こう側に透け見える権力のエゴだったり権力のもつ暴力の怖さを描きます。しかし、全体のトーンは基本的にはコメディというよりはコントに近くて、暗転ぶつ切りな感じといい、全体に素舞台な感じといい。

趣味嗜好をのたぐいを販売の規制ではなくて表現として根絶するということの危うさ、そういう力に権力が魅せられるのだということをきっちりと。現在審議進行中の内容を扱い、法案阻止した、通したという結論にしないで、そこから「趣味嗜好は自由に持てるようにしなければならない、相手の同意と、子供の保護さえ担保されていれば」という着地点。横一列の圧巻な討論会から、終幕のパロディ(元ネタみといてよかった)「自分の趣向の発露」という着地点は、題材にもよくあっていて、うまくまとめた感じがします。

討論会の横一列という配置はうまくて、さらに舞台から張り出すように机を並べます。観客であるわたしたち、ひとりひとりに対して賛成も反対も語りかけるようで、どちあの主張もきっちり届く感じがするのです。

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