速報→「サンタクロースが歌ってくれた」キャラメルボックス
2010.12.19 14:00
上川隆也、近江谷太朗の退団した二人に看板の西川浩幸の三人の男たちの物語に変わった印象の四演め。大阪、北九州を経てのサンシャイン劇場、25日まで。125分。別キャストによる10 days limited versionもあり。
クリスマスイブの夜、恋人の居ない二人の女は映画を見に出かけることにするが、一人は乗り気じゃなくて遅刻する。先に入っていた一人、たった一人の客席。映画は序盤のクライマックス、芥川が犯人をみつけるその瞬間、その犯人が銀幕を越えて逃げ出す。理不尽に犯人とされた彼女はその繰り返しに耐えきれない。追いかける登場人物たち。彼女を戻さなければ物語は進まない、上映の2時間までに戻らなければ、光の産物であるの彼らは消えてしまうのだ。
25周年のお祭り騒ぎ、祝祭のような盛り上がる劇場。テレビで人気の俳優、ということはあるけれど、それだけではないのです。退団した二人をそろえて、という豪華なラインアップ、お約束なこと、決め台詞なんてものがいちいち楽しい。おなかいっぱいなぐらいに笑わせ泣かせ。7500円という値段は安くはないけれど、きっちりエンタメの2時間は釣りあっている気がします。
アタシがみたのは97年版だけ。あのとき映画の客の二人を演じた(あの頃からの)ベテラン二人(坂口理恵、岡田さつき)をメイドという配役で支えに。その圧倒的な力、年齢を、なんてギャグも楽しい。その客を演じた若手の二人、コミカルな温井摩耶が実は結構好き。前田綾も力の抜け具合がよくあっています。サヨというもっともコメディエンヌな役の渡邊安理、まっすぐなフミを演じた實川喜美子もじつになじんでいるのです。世代を変えていくことを確実にやっているのです。
何度みてもあたしが好きなシーンは後半、芥川と彼のファンのすずこのシーン。先を知っている女が云いよどみ、でも書くことを再開できる喜びにあふれる芥川、というシーン、役者が変わってもそのテイストは変わらないのです。
六本木のテレビ局に近い場所、ということでそれまで池袋だった映画館の場所が渋谷になったりする、なんてのも未続けている楽しみだったりするのです。
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コメント
西川さんの存在感に脱帽。さすが当て書きの役です。西川さん個人の焦燥、羨望、孤独感が、芥川の役にマッチしている。
前田綾は、いい役者になりましたね。あの文学少女っぷりがツボでした。今まで、一番会っている気がします。
投稿: Buchi | 2010.12.20 15:53