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2010.12.30

速報→「ボーナストーク」ホチキス

2010.12.29 19:30

ホチキスの新作。年末にうれしいハートウオーミング120分。日替わりゲストを迎えながら31日昼まで王子小劇場。31日夜はカウントダウンイベントが予定されています。

チンピラの男、なぜか想像妊娠で隔離病棟に入院している。妻は久しぶりに長い時間一緒にいられて嬉しい。男の腹から出てきたものは、魔界の王になるべき王子だった。人間界に修行に出てきた王子は、その男に7つの大罪を犯させれば王になれるのだという。

役者はあちこちで拝見していても、劇団公演はずいぶん久しぶりに観た気がします。メインの役者三人をきっちりフィーチャーする骨組み。飛び道具交えつつ気楽に楽しく笑わせて、ほろりとさせる、という意味では実にオーソドックスなエンタテインメントなのです。

チンピラの男と妻。一緒にいられるだけで幸せだという妻と、素直にはいえないけれど彼女のことを考える夫、気持ちが近づき離れしているようには見えても、深くつながる二人の話。終幕近く、妻が出ていこうとするシーンの 「もう好きじゃないのに、どうして出ていけないんだろう」という台詞が好き。終幕「最後の報酬」がほろりと。

もう一つの軸はチンピラの男と彼から生まれた魔界の王子。いつしか二人の間に生まれる愛情とも友情ともつかない不思議な感情は、終盤の高いテンションで存分に発揮されます。

小玉久仁子演じる女王はもはやこの世のものではない作りもの感満載、説明台詞に対する照れというか楽屋落ちっぽい台詞を挟みながらも舞台を高いテンションで支えます。加藤敦演じるチンピラはほぼベッドの上という拘束された中でもテンションと情感。村上直子演じる妻の一途さ。橋本哲臣・山崎雅志の掛け合いも楽しい。
須貝英演じる神父は実直さ、細野今日子演じる天使は、なかなかみられない作りもの感満載のコメディエンヌとしての魅力。

あたしの観た29日夜のゲストは箱庭円舞曲の作演の古川貴義。携帯電話を切れ、という前説男の体裁で出てきて、携帯電話の電波とコケシとの関連について話そうとしてまわりが理解できない、という感じで少々すべりぎみ、というのも年末のお祭りっぽくて楽しい。

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