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2010.12.29

速報→「可愛い怪物」劇26.25団

2010.12.28 19:30

15minutes madeの短編から始まる120分。29日まで駅前劇場。

2012年、大学に入った女は隣に住むイケメンの大学生が好きでたまらず、壁越しに盗聴たりしていたが、実際にあってみれば憧れはもろくも打ち砕かれ、現実が嫌になって逃避、中学時代に戻っていく。 中学生のころ、あの思い出したくない日々。塾であこがれていた先生が痴漢だといわれクビになった時にバイト先の制服で怒鳴り込んできたり、親戚の家で口うるさい母親がどうしてもイヤで行方不明になった犬の原因押しつけようとしたり、ほんとにいやで。

大学生、中学2年生、中学3年生という三つの時代。隣家の男に惹かれながらも壁に越しの物音を聞くだけ、という引きこもり気味で不器用な女、なぜか時空をこえて自分の中学時代の自分に会う、というSF風味。中学生の頃だって、緊張すると異常なほど手に汗をかいてしまってからかわれたりするのだけれど、そんなことすべてを母親のせいにして、母親にあたり。でも母親はそんな娘を体を張って全力で守る、という一種ノスタルジー。 母親の想いと、その死後になってからその想いに気づく娘。時間は誰にも平等に取り返せないものだけれど、取り戻せそうなというよりは、自分なりの決着をつけるような流れが見事で見応えがいっぱいなのです。

娘はリング式のノートを日記帳にして、中学のころも、いまもそこにきっちりと書いていて。母親に読まれたりもするけれど、日記をやめることはなくて、彼女にとって不可欠な「表現」になっているというベース。舞台美術の方も横倒しにしたノートを開いたような感じで、紙を一枚めくると食堂のカウンターが現れたりと象徴的なものとしてノートを使っています。

正直に言うと、このミニマルな物語に対して役者というか登場人物が少し多い感じはあって、もうすこしタイトにみたい感じはあります。チラシで受けた印象と物語のテイストが少し違う感じもあって、もしかしたら物語とキャストがジャストフィット、ということじゃないのかもしれません。

杉田鮎味の挙動不審で冴えない感じの女がぴったり。その中学時代を演じた宮本愛美も絶妙。中学二年生というのを芝居に乗せるのははやりなのかと想ったりもするけれど、それにしても中学時代の友人(公立中学校の制服、という説明が絶妙)を演じた中川鳶はちょっとすごい。

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