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2010.12.05

速報→「バウンティハンター」ロンドンパンダ

2010.11.4 14:30

London Pandaの新作、90分。5日まで王子小劇場。

ガレージに住む若者、仕事もなくふらふらしている。ある日、中学時代の友達を誘って金儲けを思いつく。それは指名手配犯に掛けられた報奨金が目当ての「賞金稼ぎ」だった。

北関東のいわゆる「ヤンキー」で仕事のない若者たち。ネットやら知り合いやら、犯人に近づくパスがやけに短いじゃないか、ということはあるものの、現代日本のニートのヤンキー、という読み換えをした西部劇的賞金稼ぎのものがたりの枠組み。それなのに、たった一部屋で展開するってのがちょっと面白い。

とはいえ、すっきり爽快感のあるものがたりではありません。当日パンフに云う「負け犬」というのは定職を持たないということではなくて、大きな力に対する「負け犬」感と読み取りました。後半は作りもの感あれど、少しばかりほろ苦くて物語に厚みを感じます。

土曜昼に設定されたトークショーによれば、作家自身はヤンキーにいじめられる側の生徒会長だったりして、実際のところは嫌いだとかいいながら、コミカルさだったり終幕のある種の格好良さだったりと、情に厚くて愛すべきキャラクタとして描かれるのは、どこで生まれても日本人のどこかに潜むヤンキー気質のようなものに共振する感じで、それはヤだなぁと思いながらもヨサコイの踊りにちょっと体が動いてしまう、なんてのとちょっと似た感じで楽しい。

これもトークショーによれば、奇数回にきっちりしたサスペンス調、偶数回にわりとゆるめの物語という色づけのよう。今回は奇数回にあたり、コミカルさと、どこか作りもの感はあるのでリアルというのとは違うし、都合がいい物語の運びだなと感じないことはありません。が、ヤンキーな二人、わりとふつうめの二人、中年の男という五人が、物語にのっかっていく感じで、時間を感じさせないようなエンタテインメントとしての物語の運びはたいしたもので、印象に残るのです。

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