速報→「夜のジオラマ」SPIRAL MOON
2010.11.28 14:00
ジャブジャブサーキットがSPIRAL MOONに2007年に書き下ろした作品の再演。120分。28日まで「劇」小劇場。
どこかの、なぞめいた部屋。ジャーナリストの女が引っ越してくる。世間の逆風から逃げるようにして、しかしジャーナリストとしての野心も失っていない。この部屋は、オーナーの意向で、部屋を出るときに必ず一つ、ものを残していくことが契約条項に入っている。30年後、同じ部屋を訪れる、その女の息子。懐かしさはないが、母親の断筆の原因がこの部屋にあると考えて、調査を依頼しにきた。その間をつなぐもう一つの時代、住んでいたのはその女のもう一人の娘で。
みたことない話だと思っていたら恥ずかしながらたぶん初演を拝見しています。はせひろいち独特の、少々頭良さそうでありながら、皮肉も交えたりな軽い語り口。直接に語らず、もって回ったような語り口というのも作家の特質で、そこについていくのはなれないと少々苦労する感じもあります。
建物に残る記憶で、そこで起きたことの再現がされるというSF風味。ジャーナリスト、カルト、母親と子供たちの思い、さまざまをきれいにつないでいく感じ。正直に言うともう少し刈り込んだタイトな感じでみたい気もしますが、まあそれは作家も演出も持ち味とは違う感も。
後半でしっとりする七味まゆ味、前半でのはじけるような感じが好きです。もっと作りもの感の役は多いけれど、こういう感じは実はちょっと珍しい。 秋葉舞滝子の終幕ちかくは、さすがに力を感じさせます。たったひとりで時間のながれを感じさせるしっかりとしたちから。なぞめいた不動産屋を演じた岩井太郎は、飄々とした感じがあっています。ロボット(?)を演じた村岡あす香は、一本調子の静かな感じで通していますが、午前中にみたロボット演劇とか展示との対比でみると少々古典的なロボットに感じてしまうのはテクノロジの進歩なのか、うむむ。
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