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2010.11.14

速報→「迷子になるわ」五反田団

2010.11.13 19:30

五反田団の新作。115分。14日まで東京芸術劇場小ホール1

喫茶店らしい場所。女が相談している。なにかもやもやひて晴れないが、原因も結果も分からない。それは両親のことかもしれないし、ずっと昔の不倫の彼のことかもしれないし、久々に再会してつきあうことになった実直な彼のことかもしれない。

どうしてもおしゃれ感いっぱいのフェスティバルトーキョー(F/T)の演目は気後れしてしまいがちなのですが、アタシの友人の大絶賛が後押しに。女性目線で、現実か夢想かの境界がはっきりしないような物語に不思議な強みがあるとアタシが思っている作家、なるほどそのちからが存分に。

喫茶店での実在しない姉との会話に端を発して、そこで再会したばかりのはずの男とも、ずっと昔の男とのことも、両親とのことも、あるいは将来生まれてくる子供のことも。時間軸をすべて見渡すように、自覚すらせずに自在に行き来する軽やかさ。それを少々手垢にまみれた四次元、なんて言葉じゃなくて、「時間を平面に」という、ずらした(しかしわりと本質的な)言葉に言い換えたのは秀逸だと思うのです。

別れ際に、未練たらしく続けようとする男と、(少し長い距離を歩いても)今日でオシマイとする女のシーンが切なく思えるのは、自分がその未練側のあれこれを勝手に思い出すからかしらん(泣) 。

伊東沙保はほぼでずっぱり。この混乱しがちな流れの中の観客の視座をしっかりと担保するたしかなちから。派手な動きではないけれど、街歩きの細やかさから、病院での恥ずかしさとコミカルの同居、終幕のちょっとびっくりするところまで、振り幅の広さが魅力。後藤飛鳥の小柄を逆手にとった母親の洗濯物を畳むシーンがちょっと好きだったりします。

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