速報→「ふし穴」信州大学劇団山脈
2010.11.5 19:00
第15回目を迎える「まつもと演劇祭」の一本目。松本にある信州大学の劇団、久々の学外公園だといいます。7日まで時計博物館4F 本町ホール。65分。初日はアタシのみる限り満員。
テラヤマと名乗る男が取り調べを受けている。訳あって三姉妹だけで暮らす家の中を覗き見ていたのを本人は認めているのだが、男も三姉妹も証言が曖昧。それではと刑事が促し、順を追って出来事を話し始める。
電車で町に降り立った男は、引き返すのに間に合う電車をやり過ごし、駅前を歩き始める。町で出会った少女に町のことを聞く。彼女に惹かれるように家のほうに向かってしまい。
ランドマークのようになっているわりには入ったことのない建物。新しいらしく全体に綺麗。天井の低いフラットな空間。当日配られる演劇祭専用のフリーペーパー「まげぼん」によれば、ほぼ全員が平成生まれで、彼らは自ら「偽物の昭和」を作り出しているのだといいます。なるほど、少々サスペンスチックだったり、刑事が取り調べているという形だったりと、謎めいたものがたりを進めるために陰が必要だったのだろうと思うのです。なるほどそれには昭和がぴったりで。
女性の作家が描く物語。テラヤマがつかまり、被害者たる三姉妹との証言が食い違うだけの理由は、という主軸の物語は太くきっちり一本筋が通っていて、見やすいのです。
でも、アタシが楽しいと思うのは三姉妹の会話。この秘密の原因となった長女、キャバレーのホステスの次女、セーラ服姿の三女の会話。成績は悪くないのにオツムは良くない妹を心配する姉二人の会話だったり、序盤での男に告白できない三女の話を聞く何てシーンが絶妙な空気。
三人の女性が織りなす会話劇というのがことごとく好きだというあたしの好みを別にしても、時代考証何のその、ああなるほど、女性達の会話ってのは太古の昔(大げさ)から連綿と続く話題ってのがあるんだろうなと思ったりも。キャバレーでのホステス酒癖のわるい感じが絶妙ですき。三女の大暴れも、長女のなぞめいた感じも実に素敵。
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