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2010.10.04

速報→「4-doors」サマカト

2010.10.3 18:00

Summer-Cut topology(サマカトポロジ)だったはずなのだけど、いつの間にかsomecut(サマカト)になっての公演。3日までシアターシャイン。75分。

四つの物語。
三人の男女。オンナノコは片想いをしている。二人の男はゆっくりと相談にのっているが「ひとつ屋根の下」
一つの小箱を手に入れるために競う人々、夜はみんなの部屋から対等に、リビングのテーブルの上に置くことにしたが、夜中にそれを手に取ったヤツが居て「箱」
飲食店らしい店のバックヤード。バイト上がりで帰宅前の女ふたり、社員らしい女、と男。当然恋の話になって。あのセンパイ、ありえないよね、とか。「変換な本音」
電車から初めて見かけたホームの男に、女は電車を飛び降りて告白してしまう。どちらも恋人が居るのにもかかわらず、二人は朝帰りをして「不親切なダイジェスト」

恋とか競争という感じで繋いだ四つの物語。恋しているのに告白することが出来ない、この箱を手に入れるにはのさまざま、実は好きだったんだけどとか、もう終わりだね、とか恋にまつわるさまざまな無茶ぶり設定とリアルらしく温度を感じる会話の言葉や演出が気持ちいい。

おどけて見せたり、ぼけには突っ込んでみたり、恋愛だのなんだのには外側からは熱くは見えないけど想いをひきずったり。作家の何を知ってるのか、と聞かれれば答えに窮するけれど、でも登場人物のいずれもが作家自身の分身のように見えて、いとおしいのです。

「ひとつ~」は片思いの相談をしながらキラキラしててかわいらしいオンナノコ。同居している二人の男は好意を持っていても、もう一人の男の存在が告白への一歩を押しとどめます。ほのかな好意が、しかし波乱の物語になったりしないところが作家の人柄っぽい。

「箱」は五人のパワーゲームという体裁だけれど、それよりも意味も着地点もわからないままにばかばしいほど真剣に語り合うやりとりが楽しい。

「変換な~」も恋にまつわるあれこれ。一本目が男同士のなら、これは女同士で、もっと本音が言えない感じの。不敵な笑いやら、駆け引きっぽさ、年上の男と同い年くらいの女は仲良くて付き合ってるんだろうなぁ、なんて会話が、バイトの現場らしくて楽しい。

「不親切な~」は終わる恋についてのあれこれ。修羅場もなく、淡々と次の人が好きになり、淡々と別れる、なんて風景の点描。二組のカップルの別れられる側にしてみればこんなに理不尽なことはないけれど、なぜそうなるのかという理詰めより、恋してしまった、別れることになった、という繊細な空気感が実にいいのです。いや、味わいたくはないけれど。

恋にまつわる、という感じでも必ずしもないし、4つのドアの意図も今ひとつ見えづらいけれど、こういう空気感の小品が好みのアタシなのです。

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