速報→「buzz」studio salt
2010.10.2 19:00
横浜の劇団、Studio Salt(スタジオソルト)の新作。80分。3日まで相鉄本多劇場。
その部屋はたまり場だった。ヤクザの事務所に出入りするようになった中学中退の男。野球部の後輩でその家の息子。ある日、女子高校生を拉致し、一ヶ月以上の監禁暴行に及び。
社会を震撼させた、といわれる割に、1988年末から翌年にかけてのこの事件(wikipedia)、ニュースもワイドショーもみてなかった高校受験のころのアタシ。コンクリート、女子高校生、という言葉として知ってはいても、記憶には残っていないのです。なるほど、ネットで調べてみれば鬼畜、と呼ぶ様々なテキスト。
作家はその事件を下敷きにしつつ、作家自身の考えである「生まれつきの悪人はいない」を補強する物語を創作して作ります。当日パンフの中でも、この事件にふれていくにつれ、その気持ちが折れそうになる気持ちも、当日パンフの中で吐露しているのです。
世間のニュースの真相はこうだった、ということを描きたいわけではなくて、そこに居た人間たちを鬼畜というシンボルではなく、人間として描き出すことに心血を注いでいると想うのです。
ネタバレ
全体の物語は悲惨さと絶望をベースにした事件の現場の雰囲気が全体を形作ります。刑期あけぐらいの時期をベースにした、現代に近い物語を作ります。被害者を演じた同じ役者が娘に、加害者を止められなかった兄が父親となるもう一つの軸、あるいは兄弟のキャッチボール、ナンパの成功という夢幻(現実はそうではなかった、きっとナンパには失敗したから拉致・監禁に及んだ←友人に教えられて初めて気がついた)など、なるほど、作家はそこを切り捨てるのではなく、何かをすくい上げようときちんと物語るのです。
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