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2010.09.06

速報→「清水那保一人芝居 ~曇天少年/共震少女~」Thousand Leaf

2010.9.5 14:00

女優自身が書いた脚本を一人芝居として上演し、深寅芥が演出するシリーズの三回目として清水那保を。5日までスタジオアキラ(中野坂上)で75分。各回限定3席という特別席は舞台上にしつらえられていて。お祭りには乗りたいクチのアタシはついつい。

娘が子供のころ母親にせがんで話して貰ったおはなしは、顔を水につけられない娘のためにそれを応援してくれるような「曇天王子」の話だった。それをきっかけにインターハイに出場を控えた水泳選手にまで成長する。締め切りの卒業アルバムの写真を選んでいた彼女は、自分の母親の高校生の頃の写真を見つけて。

母親と娘の物語。小学生の頃と高校生の今。水とか水泳というものにまつわる物語は時間を行きつ戻りつ。水に戻りたい、息をしない、なんて少々物騒なしかし観念的な台詞を挟みながらも、舌足らずに話す小学生も、生意気なクチを効く高校生も、物腰柔らかな母親も自在に行き来するちから。

娘の物語かと思わせて置いて、母親の写真からくるりと母親の物語に。曇天の正体、若かりし頃の母親の少々の無鉄砲なんてものがコンパクトに語られる中盤から終盤にかけての物語の運びは結構すきだったりします。

その流れにありながらも、終幕は少々の無理矢理感もあります。どうしてもハッピーエンドにはできない、というのは彼女の何かがそうさせてしまうのか、なんてことをつらつら考えて観るのもまたよし。あるいはその深みのある母親や父親、あるいは祖父母たちの物語を字幕で語ってしまうのは一人芝居ゆえの制約ということかもしれませんが、少々もったいない感じ。

特別席は、写真つきで舞台上の席。中盤、少年との会話を閉めた幕の中で、というシーンがあります。特別席はその中に居られるというのは特典で、値段なりの差異化を図ろうとた苦心が観られますが、ことさらに隠すようなシーンでもないところはあって、これは必ずしも成功している感じがしません。

とはいえ、女優自身に初戯曲を書かせ演じさせる一人芝居、というフォーマットのおもしろさはあります。女優そのものを見に行くというところも確かに芝居を観る一側面なのですが、AKBなんとかのようなあからさまにならないぎりぎりのところをねらうのが大変だろう、という気はするのですが。

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