速報→「表に出ろいっ!」NODA MAP番外
2010.9.19 19:00
中村勘三郎と野田秀樹という両巨頭に若い女優一人を加えた強烈なテンションの75分。28日まで東京芸術劇場小ホール1。
夫婦、娘。お互いに外出したい理由。ジャパニーズ(小さい(すぎる)男の子たちのアイドルグループ)、東京ディスティニーランド(テーマパーク)、クドクナルド(略してクック、ファーストフード)。それぞれ、外出を防ごうと互いを妨害するうちに。
「信じること」にまつわる物語。何かを偏愛すること。それは時にアイドル、時にテーマパーク、時に食事だったりコレクションだったり。信仰、というには大げさだけれど、それがなくちゃ生きていけない、ぐらいの拘泥。すでに東京から遠くに引っ越しているのに、毎週のように芝居に通うために上京したり、ほかにしなきゃいけないことはあるのに芝居を観ることを優先したりと、こだわりといえば聞こえはいいけど、端から見ると理解出来なかったり、あるいは嘲笑されたりされかねないアタシのやっていることだって、そう大きくは変わりません。ああ、アタシのことを云ってるのかと思うのは自意識過剰にすぎるけれど、ことの大小あれど、だれもが身に覚えのある何か。
硬軟とりまぜてきっちりできる二人の巨頭が出ていれば、満足感は間違いなく高いのです。小劇場の役者の瑞々しさこそ、と思っているアタシですら、これだけのちからで、しかも短い時間をこの密度で見せられれば胸焼けしそうなぐらいに満腹感という役者のポテンシャル。くだらないことから凄み、隅々まできっちり埋めていくのです。
ネタバレ
それがなくっちゃ生きていけない、と拘泥してたのに、最後には「水」というシンプルなものが残る。まあ、そりゃそうだという着地点だけれど、なんせこの年齢の役者が休みなく動き続ける負荷の高い芝居。カラダが水を求めているのは間違いなくて、そのフィジカルな要求を現実のものとしてみせるのは、うまいなぁと思うのです。
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