速報→「心の余白にわずかな涙を」elePHANTMoon
2010.9.20 17:30
elePHANTMoonが、上演中止となってしまった過去作品のリベンジ。刺激的なビジュアルの写真も印象的。20日まで王子小劇場。105分。 離島の教会。牧師を誘惑した女はこの島から出ていきたいと考えている。信者の数は増えないまま、近くでは人面魚のような魚が話題になっていて観光客が増えている。子供のできない夫婦、妻よりも、不安定な妹のことを優先してしまう男たち。事故を起こして彼女に大けがを負わせた男は毎日船で本土まで通っていて。
ふたなりな女、その女に触れこそすれそこから先に進めなかった男。じり貧の信者たち、もちろん経済的に上向いていくという町ではなくて、どうみてもここに居続けることにメリットはないのだけれど、そこから一歩を踏み出せない気持ち。その女が弟に抱かれている声を一人聞くラスト近くのシーンが物語の主軸なんだろうと思うのです。その踏み出せない気持ち、そこから先に進めない臆病さのようなものは響きます。
不安定な妹たちの話、韓国料理屋の夫婦の話など、いくつか魅力的で小さな物語があるのだけれど、正直にいえば、それが主軸の物語につながっている感じがしないのは惜しい感じがします。
不安定な妹を演じた菊池佳南は、エキセントリックな役ゆえに得しているとは思うものの、表情のひとつひとつが魅力的なショーケースのようで役者を楽しむ感じ。野田裕貴の終始抑えた演技はもしかしたら初めて観たかも知れません。抑圧された感じがよく出ていて印象に残ります。
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