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2010.08.09

速報→「部活動の鱈の(ほ)’」Hula-Hooper

2010.8.7 19:30

団長こと主宰の菊川朝子の出身地、鳥取の駅にほど近いライブハウス。なぜか階下は温泉で、温泉付きチケットも楽しい110分。終演後休憩を挟んで「鰺。」と題した安田奈加バンドのライブ40分。鳥取、アフターアワーズ。

物語の基本的な演出に至るまで、基本的には東京公演と同じ。小屋の違いはあって、7th floorに比べると、幅が広く天井が高くて奥行きがないつくり。動線の違いと、鳥取公演だけの出演者。二人は団長の従姉妹と従姉妹半、とクレジットされています。

東京に比べて全体の印象は、もっとタイトに精度を上げてある感じがします。おそらく東京から相当に稽古をしたのではないかしらん。正直にいって、説明なく役が入れ替わったり、時間が行き来したりと、見慣れない観客には決してわかりやすい構造の芝居ではないと思うのですが、それでも最初に堅かった客席が曲や芝居を通じてこなれていく感覚は、東京よりももっと強く感じられます。

団長と同じ鳥取出身の仗桐安との鳥取弁の会話の納得感は更に印象的に感じるのは周辺を歩いて街で耳にする言葉を浴びた上で観たからかもしれません。バンドメンバー、岡野直史の「時代遅れの河童」は凄みすらあって、こちらも印象的。

上枝鞠生、畔上千春、服部弘敏は上の役者たちに比べると、アウェイでもあるし言葉の点でも不利な点は否めませんが、7th floorよりも広めに使える舞台を存分に生かしてこの少ない人数できっちりと空間を埋めていて魅力的。

「違う」ことを乗り越える恋のちからを主軸に据えた物語の強みはそのままに。出演者が絞り込まれているがために、同じ人物を役者が入れ替わって演じるなどの無理があるのは、初演のときの制約をそのままにしても完成させるという心意気だと思うのです。

こなれた役者ばかりではない座組、観客にも小さい子供もいたり、何かが落ちて大きな音がしたりというハプニングを、菊川朝子はいちど呑み込み、きちんと制御するのです。役者みんなにもそれは徹底されていて、力や芝居や声の大きさなんてもので押さえ込んだりしない感じが大好きなのです。

温泉チケットで階下のレトロな温泉に浸かり、余韻を楽しむことが出来るのもなんかものすごく贅沢な感じなのです。

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