速報→「女の罪」ブス会
2010.8.8 14:30
ポツドールの企画公演のほか、AV監督としても活躍するペヤングマキの立ち上げた「女をテーマにした芝居」のユニット「ブス会」の旗揚げ公演。当日券でなんとか。10日までリトルモア地下。60分。
スナックらしい店内、夜遅く。場所に不釣り合いな「ふつうの主婦」が初めて訪れる。自分の留守中に夫がギャル風俗に行っていることに気づいて、自分のセックスが奪われたと感じるのだという。店のママは時折り店をあけて誰かに会いにいっている。二十歳のバイトの娘は年の離れた彼氏が居る。店にもう一人居る客は主婦と同い年で、風俗で働いているという。あとから店にやってきたのは、かつてこの店でバイトをしていて、今はキャバクラで稼ぐ女。結婚していて子供も居て、実はしっかりしていて。
ガールズトークというには少々年齢のあがった、さまざまに現代に生きている女たちの語り口。主婦だけれど子供のいないままセックスレスとなっている女、いい年齢だけれど結婚していなくて謎の多いママ、天然か計算か可愛らしさ満点に振る舞うけれど少しエグ味のあるバイトの娘、風俗嬢として働く女、子供も旦那もいて実はいちばんまっとうなキャバクラ嬢。30代後半ぐらいから20歳ぐらいまでにアソートの5人。主婦の一人をのぞくと夜の世界の女たちを据えて、たしかに「女をテーマにした」物語の作家の語り口の確かさに舌を巻くのです。
年齢でかならずしもいつも決められることではないけれど、たった20年弱の間の女たちの生きざまの世代間のコントラストが鮮やか。30代の女たちよりも、もっと下の世代のほうが、しっかりとふつうの生活をしているということの力強さ。バブルの世代はもっとしたたかで気を張ってすっくと立っている感じ、その残さの世代はどこかまだふわふわとしているという感じがよくでています。若い女は時代というよりは、この世代特有の世間をなめている感じ(それは可能性ってことでもあるのだけど)を印象づけるのです。
結婚式の定番ソングで泣き、そのアーティストつながりで世代や生き方の差を軽々と飛び越える中盤のシーンが好きです。アタシもちょっと泣いてしまうような鮮やかさ。終幕の女二人の対峙は短いシーンだけれど、まぶしいぐらいに真っ直ぐな女と意地を張ってでも負けない女の生き方の差すらぎゅっと濃縮している感じで強い印象を残します。
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