速報→「express」PLAT formance
2010.8.13 19:30
二人組のコントユニット。スタイリッシュで、そこに大きな物語をきちんと作り上げる90分。王子小劇場。
漫才、受ける漫才なのに一人が辞めるという。駅で電車に飛び乗る。車内ではさまざまな人が乗り合わせる。
コントらしく、駅とか鉄道というテーマ縛りで独立したスケッチを並べていく、いわゆるコントの形式かと思っていると、個々のスケッチがするすると一つに繋がっていきます。コンビ解散を言い放って逃げた相方を追う男、その駅での出来事、列車の中でのできごとはやがてノスタルジーに溢れる物語に変質していきます。ピースのようにはまっていくさまの鮮やかさは圧巻なのです。
最初の漫才のシーンだって、きっちり面白い漫才として成立しているのが大したもの。ここをきちんと練り上げてあるのは全体の質感に繋がります。あるいは酔っぱらいのシーンのドタバタとした強烈な笑い、鉄道ヲタへの愛情とするっとひっくり返すバランスオブパワー、爆発物処理を巡る話と、そのオチなど、それぞれがきちんと作り込まれたコントで独立してもきちんと楽しめるのです。
ポストラーメンズ、と劇場はいいますが、それをあんまりよく知らないアタシには、洗練されていてスタイリッシュなコントという意味で、ラジカル・ガジベリンバ・システムやシティーボーイズの手触りに近いものを感じます。あの頃のテレビなら深夜枠でこういうものを作ることが出来たけれど、イマドキのテレビではなかなか観られないような90分の濃密な時間。こういうネタとしてきちんと作り込まれたモノを観られるのは実に楽しいのです。
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