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2010.08.14

速報→「15 minutes made volume 9」Mrs.fictions

2010.8.13 14:00

15分×6団体というフォーマットで9回目。休憩10分を挟み120分。15日までシアターグリーンBox in Box。

あれだけ好きで貢いだ女の子から結婚式の招待状が届いたのに喜んで出席しようとする弟を見かねて、兄は罵倒することを教えようとする「わるぐち」(ひょっとこ乱舞)
壮大な勇者の冒険の物語、を上演しようとはおもったが、役者のあれこれの理由でちょっと残念な「OCEAN〜失われし七つの秘宝」(犬と串)
缶蹴りをする子供たち、ガキ大将風、転校生、可愛らしい娘さまざま、鬼が抜け出せなければ助けたり、和気藹々ともいえるけれど。「ジョゼたち」(ナカゴー)
妻が部下の男と浮気をした。許せないが妻とは分かれたくないし、部下は優秀で首を切れない。二人の話をとてもききたい。「性的人間」(シンクロ少女)
売り出し中の漫才師のライブ。ネタは一つしかできない。次の番の先輩漫才師が現れず。「漫才」(Defrosters)
男二人が寝ようとしているが、どうにも寝付けない。怖い話をすることになって「僕を寝かさない」(Mrs.fictions)

休憩を入れてるのにきっちり120分。珍しく短いものも混じっているようです。

「わるぐち」は気の弱い弟、それを鍛える兄の構図を基本に、そこから兄と弟のバランスオブパワーの鮮やかな転換で見せる印象。この構造よりも「一生あわないとわかっていたらやさしくできる」とか居なくなった描写などの細部がちょっと好き。

「OCEAN〜」はヘタレ劇団という描写ではあまり笑える感じにならないのが残念。むしろ、遅れ客、というのが秀逸で、自分も含めてあるあるネタのおもしろさ。

「ジョゼ〜」は子供の世界の理不尽さとバラバラさ加減、それでも仲間で友達で遊んでいる、という子供の遊び友建ちという集団の不思議なパワーを感じるのです。終盤いい話風になるのも見やすくすることに効果があります。

「性的〜」は許せない浮気なのに、その二人を許すばかりか、細かなことまで聞きたくなるという、男の弱さ。なんせその男は仕事から優しさから丁寧さから、女を虜にしていて、とうてい夫には太刀打ちできないのだけれど、それでも聞きたくなってしまう描写、なにより作家自身が演じる妻の描写の色っぽさに頭がぼおっとする感覚。終演後のトークショーによれば通しの時点で2分しかなかった、というぐらいにワンアイディアの勝負ではあります。

「漫才」は芝居のイベントなのに漫才かよ、それも大しておもしろくもないし、と思っているとそこから始まる喧嘩やごたごた。舞台袖での出来事として描くのがスタンダードな感じですが、それを観客が観ている舞台の上で起きていること、として描くのはちょっと珍しくて、しかもそれは効果的に働いています。

「僕を〜」は今回のイベントの中では実は一番芝居らしくて面白い感じ。怖い話は、一人減ったり増えたりという話なのだけれど、たった一晩のうちに起こっているそのできごとは、自分が友達と出会い、やがて別れていくという長い時間をぎゅっと圧縮して早回しで見せているような不思議な手触りで、魅力的な仕上がりです。

正直にいうと、全体にこじんまりしている印象がありますが、ショーケースでさまざまな芝居を観られるということのこの公演の意味は間違いなくあるのです。次回は10回目、その次は来年なのだけれどスペシャル、と題されているようで楽しみなのです。

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