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2010.07.11

速報→「Wannabe」柿喰う客

2010.7.10 15:00

柿喰う客とアジアの役者たちのコラボ企画。60分+トークショー。19日までアトリエ春風舎。ほぼ全編を英語上演、字幕なし。といってもごく簡単な英語で、若者ならば「ありがち」な恋の話、要所要所で日本語の注釈も呟くように入っていて、アタシでも問題ないぐらいに楽しめます。

アジア人たちだけが住む家。大金持ちのイタリア人の持ち家で、アジア人ならば自由に住むことが許されている。厳格な管理人は非常に厳しく、うるさくしたり酒を飲んだりすることを許さない。その管理人が旅行に出かけた日、思い思いに過ごしているが、住人の一人がバイト先の女の子に恋をして、それを成就させようと、騒げる今晩、彼女を呼んでパーティーをしようと考える。

国籍の違う若者たちが一軒家、パーティに騒ぎ、亡くしもの一つの大騒ぎ、妙な奴が居たりしながらもの大騒ぎな共同生活。体験してはいないけれど、若者の共同生活の姿、もう眩しさすら。ましてやブロークンどころか、下手な感じであっても気にせず身構えず英語で気楽に会話を交わし、それを芝居として成立させてしまうのは頼もしさすら感じるのです。

物語の枠としては前半をラブコメ風、後半をホラー風味に味付け。物語をベクトルを細かな感情の揺れに置いたりするよりもエンタテインメント指向に仕上げることができるこの選択は正しい気がしますし、どこかアジア的なテイストがでてくるのもメリット。恋人に「なりたい」、ともだちに「なりたい」などのいくつかのwannabeを散りばめて、シンプルな気持ちを物語の原動力とするのも言葉の壁を乗り越えるひとつの力。

中国・韓国の役者たちが実に魅力的。感情を爆発させたり、どこか奥ゆかしかったりとそれぞれに与えられたキャラクタがしっかり濃く描かれているのも魅力を増している感じがします。迎える「柿」の役者たちは、表情のまったくない「シチミ」(七味まゆ味)をはじめ、全体に押さえた感じ。普段の疾走感のある柿の芝居ではむしろ引っ張る側ということを考えると、このコントラストが作れる役者の振り幅が頼もしいのです。

須貝英演じる、「恋する男の子」の一連の話が愛らしく楽しい。日韓会話の本を持って愛を告白しようとしたり、この家に住みたいから部屋がみたいわという折角のチャンスを周囲が盛り上げたにも関わらずあっさり逃してしまう不器用さとか、もう会話も動きも一つ一つがとても好きなのです。中国人、韓国人の俳優たちが見栄えも良くて豊かな表情、なんか全身から若さが溢れるような感じは、更に眩しくて魅力的なのです。

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