速報「恋する剥製」クロムモリブデン
2010.7.4 17:00
クロムモリブデンの新作。大阪に続いて、東京・レッドシアターでの公演は4日が千秋楽。105分。
恋愛に関するどんな依頼でもかみのようにこなす男の事務所にはだまされたと訴える女性も来るが、恋愛に悩みをもつ女性が今日もやってくる。警官への恋心を成就の依頼を引き受ける。
いい加減な占いを調子にのっている男女の前に現れたのは、あきらかに怪しい男。でたらめな言葉こそが人々を救うのだと嘯き、マンションの一室で始める占いの館に誘う。そこにやってきた女性、皆が話す恋愛の話題が正直苦手で、恋愛このことを話したり悩んだりしなくていい世界がないかと相談に訪れる。神々しささえ持つ彼女を占いの館のカリスマに仕立て上げようと考える。
それでも今作においては、好きであること、それを押し進めていくことがカルトだったり、駆け引きや作戦があったりという恋愛のある側面を根底に置いて、カルト、占い、恋愛サービス、果ては警察官に至るまで、その危うさうさんくささをそこかしこに小気味よく揶揄しながら進める言葉。
ネタバレかも。
物語の辻褄とか、想いを描くというよりは、そういういろんな側面を描き出し、さまざまに乱反射していくのです。終盤の大混乱は収束することはなくほっぽりぱなしということもできますが。終盤のチェイスは、移動するパネルを何枚か使用してまるで手品のように人が(時に攪乱するためのサルが)移動したり消えたり現れたりの疾走感。追いかけていたはずのカルト集団が空虚な傀儡だったと見せるラストシーンは強く印象に残ります。
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