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2010.07.18

速報→「秘密をふやす」セキララ

2010.7,17 15:00

あたしは初見です。60分。幅の広い劇場の中央と両端のテーブルがアクティングエリアなので、そこを見渡せる場所を。18日までルデコ2。

寝台列車の中。談話室で「私」が話を聞いた女は、浮気相手と列車の中で逢い引きをしている夫を捜しているのだという。長い間のセックスレスの夫婦。でもそれは夫が浮気しているからだといい。

まあ、どうみても列車の中、というのは無理な設定。そこは言わないのが花。閉鎖された空間、夫婦と女、それから話を聞いている「私」の四人で進む話。それぞれに抱える秘密、他の人には話さないでほしいといいながら、「私」には秘密を吐露してしまう人々。時に愛憎、時にセックスのことをよく知らない他人なのに、なのか他人だから、なのかわりと軽くはなしてしまう感覚。

物語の主体はその「他人のもめ事」の甘露がほしくてたまらない女、語られる話自体はわりと三文小説的ではあるけれど、少しばかり意地悪く、興味津々でその「秘密」をはなしてもらいたい、というこれも「私」の秘密の語り。秘密を聞き取ると洋服に端切れがつけられていく、というのはちょっとおもしろい感じ。終幕で、そのつけられた端切れふくめ女が脱ぎ捨てるというのは何か象徴的だけれど、いまひとつどういうことか、というのはあたしにはぴんとこない。

言葉で語られる「他人の秘密の甘露」を美術というか衣装という形でなんとか形にしよう、という強い意図。言葉だけに頼らずにそれをやるのはずいぶん効率は悪いけれど、効率だけじゃないのが芝居ですものね。その心意気。

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