速報→「孤天『「「「愛」を使う」と言う」とつぶやく』」コマツ企画
2010.7.25 15:00
コマツ企画の役者、川島潤哉の「一人で演劇」企画の三回目。70分。15日までルデコ5。
どんな危機にも対処する探偵のもとに来た依頼は行方不明の二人の子供を捜してほしいというもので『ある二人を追う男「佐藤あゆむ」』
公園で子供を遊ばせながら独身の友達にいう言葉は『主婦「尾丸秀子」』
書けない作家の『作家「高橋徳三郎」』
自然の中で子供に語りかける『父「和田和夫」』
集会に集まったなかで静かに語りはじめる自分の生い立ち『被差別市民「引田素直」』
探偵に追われた二人の『ある二人』
まるで、踊る大捜査線レジェンドのようなタイトルも楽しいラインナップ。三回目を迎えて、絶好調の感もある一人芝居企画。1時間強の時間、少しの毒を盛ってあって、緊張感もあって時間を感じさせないのです。
二人の逃避行、本当の恋人は別にいるのにそれとは違うひとを逃避行のパートナーに選んだ二人の葛藤の物語とそれを追いかける探偵の危機感離能力の高さのふたつの物語が オープニングとクロージングに。特に逃げている二人の関係は、そんなに珍しいオチではないのだけれど、そこまでの追い込み方が圧巻で、そのほんの少しの力で大きな効果を生む、テコのような面白さがあります。
欲求不満な主婦の下ネタ愚痴大会な「主婦〜」、こういう女性キャラをやらせるとこの役者は抜群に巧くて、そこに毒を盛っている感もあって印象的。 「父〜」、父親と息子の自然の中での対話、というとてもいい話ふうだけれど、そこに隠された絶望の物語も、オチそのものよりは、そこまでの追い込みの緻密さに効果がある感。 「被差別市民〜」、は笑いにはどう考えてもむすびつけづらい題材なのだけれど、差別しないことを突き詰めていくと、人種、種、動物植物、宇宙に至るまで同じに扱うしかない、というのは、途中までは思いついても宇宙、なんて突き抜け方をするやりすぎ感が好きです。あるいは終幕直前、差別なんてしない、といいながら、区別としてカテゴライズして、というのも毒が効いていて印象に残ります。
おしまいのシーンで座布団に座り、かみしもを切ってはなすあたり、落語を彷彿とさせるけれど、その枠組みに留まらない感も。
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