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2010.07.20

速報→「ON THE WAY HOME」喝采企画(黒澤世莉版)

2010.7.19 13:00

池袋にほど近い新劇場、KASSAIのオープニング企画としての、同一原作を4人の演出家での連続上演の最初となる黒澤世莉演出。90分。19日まで。

太平洋戦争の末期、本土から遠く離れた南の島。入植者たちは情報が遮断され、敗戦を迎えたことを知らない。知らずに入港してきた米国の貨物船の船員が持っていた新聞で敗戦を知り、古い船を改造して日本を目指すことにするが。

演出は当日パンフで太平洋戦争に関わる作品を意図的に避けてきた、といいます。アタシも同じ想いで基本的には時代劇モノのいわゆる戦争モノは避ける傾向にあります。現実を描くならドキュメンタリーの方がずっと優れていると思うし、現実の想いだけをすくいとり隙間をねらって創作すると嘘が目立ったり不自由になるざるを得ないとおもうからです。丁寧に作られている今作においても、アタシの想いは変わらないのです。

戦争が起きていてもなに不自由なく暮らせて、連合軍の標的にもならないという南の孤島への入植者たち、まして当時の日本式の教育をしよう、というぐらいの入植を行っているのにそこが拠点とならなかったこの島はいったいどこの国の息がかかっていたのだろう、という物語の骨格に対する違和感が最後まで抜けません。

ほぼ素舞台で作り上げるスタイルは時間堂的でスタイリッシュ。国籍不明風の衣装も、いたずらにリアルにするよりは虚構の物語にはあっている感じがします。帰りたいと想う気持ちと、狂信し共振する気持ちは見えやすくなっている感じがします。 物語とは直接関係ないけれど、女二人が甲板で寝転がり、はなすともなく身の上話、というシーンは演出の得意な方向で巧い感じ。好きなシーンです。

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