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2010.07.18

速報→「ザ・キャラクター」NODA MAP

2010.7.17 19:00

東京芸術劇場の芸術監督になって初めての野田地図。芸劇の外側に(実は絵の)キャスト一覧の風景が、微妙に時代を感じさせつつ140分。8月8日まで中ホール。

町の書道教室、いつのまにか修行だったり、住み込みが増え、家族を奪われた人々が騒ぎ始める。何かを見つけたトップは更に頂点を目指して暴走し、集団は彼のためにすべてを捧げる。そこに誰かを見つけようと潜入してきた女。

どこかで耳にしたとおり、もうずいぶん時間の経った事件をモチーフに。有料パンフで作家は宗教も哲学も(学生運動後の)思想もない日本と、神話がほぼ唯一宗教にならなかったギリシアを繋いだのだといいます。なるほど、ならばあのとき、日本で起こったこのシーンをここに再現することの作家の意図が見えてくるのです。

ネタバレ。

終盤は(筆という名の)傘で突いたシーン。決して若くない客席は背景をあっという間に理解します。集団の暴力性、演じているキャラクタがいつのまにか心底自分になってしまうということが背骨の物語だと思うのです。

それでも引っかかることがあるのです。 事実は小説より、というのは友人の言葉ですが、今、この時期にこのことを取り上げて語りかける意味はどこにあるのだろうと思うのです。事件の現場、あるいは当事者、どうしようもなく流される気持ち、あるいはそれを見ているほかの人々の気持ちのどちらも丁寧にそぎおとされていて、精製した感じ。想いが見えてくれば気持ちに繋がるけれど、それをわざわざ見せない、ということの意図。作家の意志は感じるけれど、意図としてとらえづらいのです。

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