速報→「カナリアの心臓」qui-co.(キコ)
2010.6.11 19:00
qui-co.の新作。100分。14日までd-platze。
父親の葬儀に集まる兄弟。喪主の次男はここを守り、10年ぶりに会った長男、嫁いだ妹も集まる。そこに来る幼なじみの筈の女。
旗揚げは作・演出・出演だったけれど、出ずっぱり故か演出を他に依頼して、企画公演というかたちに。
父親の火葬の煙を眺める序盤、久しぶりにあった兄弟。そこから過去の話が徐々にあかされていきます。現実のあの事件の頃ならばたくさんこの題材の芝居は沢山作られましたが、宗教とか大量殺人という、あの事件は背景として使われているだけで、そこから深く踏み込んでいる印象はありません。作家の視線はそこに居る人々、家族の話に思いを馳せるのです。宗教に狂いガスまで作ってしまった母親、それを信じ続け匿う父親の想いがどこにあるのか、残された兄弟たち
アタシの親は二人とも今のところ元気なので「煙が目にしみる」感じは本当にはわかりません。それでもアタシが座った上手端側から見る舞台は幕開けの二人の兄弟の側に居る視点で、彼らの会話が自分のことのように響きます。
たった四人の小さな関係の中の話。三人の兄弟妹、他にもう一人すこしばかり華やかでミステリアスな女性。そこが兄弟たちのバランスを崩す感じにしています。こういう不安定な要素は物語に力を与えていると思うのです。
序盤は少々軽い感じに笑いもはさみつつ、しかしものがたりはごくごくゆっくりと静かに進みます。物語のテンポは徐々に上がり終盤できちんとクライマックスに。スタンダードともいえるほどの確かな力を感じるのです。
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