速報→「アタシが一番愛してる」バナナ学園純情乙女組
2010.6.19 12:00
バナナ学園純情乙女組の新作。本編としては(おそらく)初めて中屋敷脚本を離れ、ミスコン開催中の中学校を舞台にきっちり60分。おはぎライブが35分。20日までかもめ座。せりふの聞き取りづらさは相変わらず、オープニングのビデオも頼りにならないので当日パンフの登場人物相関図と配役一覧はぜひとも開演前に(客席暗いけど)。
ミスコン開催直前で浮き足立つ市立中学。去年のグランプリ獲得者は強くて美しかったが目下行方不明、監禁の噂もある。それでもその名誉と一攫千金ゆえに今年のミスコングランプリをねらう女子生徒たち。その当日、生徒の一人が爆破テロにより死亡する。風紀委員会は顧問の女性教師の指揮のもと、海外出張中の校長が戻るまでに犯人の発見と確保、とミスコンの開催の重責を負う。が、調査は難航し、ミスコン中止を検討する風紀委員会とあくまでも開催を主張するミスコン実行委員会との間の確執は高まっている。
きっちり60分描き込まれた物語。旗揚げ以来頼りながら、遅いといわれ前回公演では本編が30分に満たなかった中屋敷台本とついに決別し、オリジナルな物語は17人の登場人物をきっちり書き込み、暴力とセックスと抗争を女子中学生の物語として描くバナナの世界をきちんと描き出すのです。
序盤こそ聞き取りやすくなったと思うものの、結局多くの役者、意図的に聞き取りづらくするためのノイズ(一人体操服でうろつく浅川千絵のポジションは不動で)を組み込んでいるわけで、せりふを頼りに物語を組み立てるのはなれないと相当に苦労する印象は変わらず。でも、要所要所はきちんと押さえているし、ずいぶん見やすく「作品」になっている印象。
女子中学生同士の恋心、ついていくきもち、 それゆえの意地悪などさまざまはきちんと。ホンが早い段階でできたのかどうか、稽古もきっちりされている印象があって、乱雑に見えながらもこの芝居を怪我なく成立させているのは若さだけではない、追い込んで作り上げ、そこには研ぎすまされたもの現れていると思うのです。
バナ学の三人は実に安定。全編を通して登場する加藤真砂美はいままでどうしてもバラエティ的な扱いが多かったののだけれど、中心の役割がしっかりと今作での伸びを感じます。支えるかたちの野田裕貴はあくまでも可愛らしくて怖くて、前園あかりは物語の上での大ボス的ポジションをしっかりとしているのに、おはぎライブでの可愛らしさとのギャップ。岩田裕耳はアルトな美声であの素顔なのに、やけに可愛らしくてメイクのすごみ、物語のルールを語る序盤で安心のちから。ばんない美貴子は蹴り倒すポジション、ライブ的大暴れで客席に座るアタシと両隣三人にダイブに喜ぶアタシ(ファン心理ですねこれ)。望月綾乃は当日パンフにあるとおりに「シャツのエロさ」と「インテリ風メガネっ娘」に気持ちを持っていかれるのはオヤジだからですが何か、と開き直ってしまうぐらいに。
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コメント
ばんない美貴子さんにダイブされたときは、どうしようかと思いましたね(^^;
でも、一押しは間違いなく中村梨那嬢(前年のミスコン優勝者役)でしょう!
ろりえではダッチワイフ役、今回は性奴隷役ということで、ファンとしては複雑な心境ですが…
投稿: Cyclone_A | 2010.06.22 00:40
見に行きたかったけれど、今回は行けませんでした。
首都圏に住む友人に紹介したら、19日昼の部に行ってくれたようで報告メールが届きましたが、他にも断片的に情報を集めて状況を想像しているところです。かわひさんの観劇評、ありがたいです。
そろそろ、髪も黒に戻して勉学に戻って欲しいと思う親心。
投稿: ばんない父さん | 2010.06.22 18:15