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2010.06.30

速報→「父不在」play unit-fullfull

2010.6.20 17:00

フルフルの新作。20日までシアター711。100分。

借金まみれで女にうつつを抜かしていた父がなくなった。遺品を整理するために子供たちが集まった。嫁いでいる長女、つきあう男がことごとくダメで運のない次女、幼なじみに想いを寄せるが通じない三女、婚約中の四女。父親の友人だという初老の男がかゆいところに手が届くように手伝いをしてくれるが、どうも話の辻褄があわない。別の父親の友人だという男は、自分宛の封筒があるはずなのでそれを渡してほしいと訪れる。

古い家の裏庭らしい場所。ドラム缶に入れた紙屑を燃やしている体裁。中央には家にずっとあるというキンカンの木。四人の姉妹たち、父親に対する想いの差。かわいがられた記憶しかない四女、父親の女遊びを見ている次女三女、かわいがられた記憶がない長女。ほかの男たちはわりと「愛すべき人」という感じの認識なのだけど、肉親である彼女たちには遊び癖と借金の問題は切実で。

女性のどこかねじれた感情を描かせると得意な作家。近作ではことさら派手な感じ よりは、もう少し大人な感じの味わいが出て来た感も。同年代の役者が多かった 劇団員が減って、多彩な客演陣を加えられるようになったことも、今作にはプラスに 働いています。

かわいがられた記憶がなく、主婦であることを理由にはしているけれどお金の 問題には敏感で、少々ひがみっぽい長女。男運がどうにも悪くてという次女、不器用そうな三女、甘え上手な末っ子と、四人のキャラクタはそれぞれに丁寧に積み重ねられています。

謎の初老の男という少々怪しいポジションなのにひたすらに「いい人」というある種 無茶ぶりな役をさすがに岡田正の圧倒的な安定感。自転車キンクリートで見せる もうちょっと無茶な感じも好きだけど、このしっとり感は彼ゆえにという感があり 印象に残ります。

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