速報→「バイバイブラックバード」キャラメルボックス
2010.5.28 19:00
キャラメルボックス25周年の第二弾は新作。記憶と時間に関する得意技できっちり決める125分。6月6日までサンシャイン劇場、そのあと神戸。わりと席はあるようで、当日半額割引やtwitterを使ったさまざまな割引があります。
元は小学校だった建物を使った「東京再教育学校」(TSR)。さまざまの時点に、さまざまの時点からの記憶をなくした人々が、自分の中に残っている最終記憶の時点に再入学して、教育を受けるという支援施設。見学に訪れた女性は27歳だが16歳からの記憶を失っている。高校1年クラスは洋食屋で妻子が居るが記憶をなくして小説家を目指したい40代、頼る人がおらず一人で前と変わらずに働いている30代、都議の息子と最年少の女性20代の4人が居る。 そのクラスで発表会のテーマを決めるHRに参加することになって。
キャラメルが得意な時間軸と想いのシャッフル。難病を軸として、記憶がスキップして年をとっているのに記憶も気持ちも若かくなっている人々。周囲の家族の想いのすれ違いと、高校生特有の自立したいと思う気持ちをきっちり作り込むのです。
さまざまな年齢なのに記憶で一つの時間軸にそろえるというのはSF的なのに見たことのない新鮮さがあります。なるほど教師だった作家らしい視点。
シンプルな舞台、それを役者たちが組み替え、動かしていくという手法は「スキップ」に近い感じ。物語の雰囲気もそれに近いのだけれど、たったひとりと家族の物語から、社会生活の中でさまざまな事情を抱えている人々の物語に敷衍することでいろんな年代にフックするようになっています。半面、スキップのその一人にど真ん中だったアタシにとっては少しばかり薄まった感じに感じられるのはこちらの事情。
もうひとつ正直に言えばわりと早い段階で終幕のシーンが思い浮かんでしまう感じではあります。でも高校生が思い描く将来の恋人との姿が重なる感じで気持ちにタッチします。
實川喜美子は揺れ動き早く自立したい年代らしく好演。岡田さつきの力強く生きる感じがしっかり、坂口理恵の軽口のテンションが緩急で安心なのです。
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