速報→『ロイヤルミルクティー」ユニットニット
2010.5.14 20:00
アタシが松本で観る初めての芝居です。女性三人の笑わせてほろりとさせる旗揚げ公演。当日パンフには60分とありますが、実際には100分。16日までピカデリーホール。
学生の若い女と同居している26歳最後の日の女。そろそろ若くもないし、夢も破れてもういっぽ踏み出せずにいる。その女の母親は遠く離れ一人でスナックを切り盛りしている。二人はもう長いこと会っていない。ある日、店じまいした母親の家に、小さな缶に入った「ロイヤルミルクティー」が届く。
古い劇場を改装した劇場。席を外してパイプ椅子席、天井は高くてキャパは結構あるようです。若い女の子の部屋を模したぬいぐるみたくさんの部屋。
夢やぶれてフリーター生活に甘んじる女。彼氏が居るでもなく、誕生日が近づいてため息をつくばかりのような日々。母親と喧嘩別れのようにして何年も会っていないのだけれど、あるきっかけで再会を果たすのには、少々無茶なファンタジーというかSFの仕掛けを用意して。SFにはもう一つの効果もあって若い役者に無理なく母親の役をあてます。互いの中にある想いと踏み出せない葛藤する気持ち。踏み出せない気持ちを、そうと知らない母娘が吐露するあたりまでの盛り上げが物語の骨格。
物語の骨格じたいは、悪く云えばよくある感じではあります。ファンタジーをまぶしているけれど、母と娘の再会と葛藤の物語。それは安心な物語ということでもあって、想像した着地点にゆっくりゆっくりと進んでいるのです。
物語の骨格の外側に存在しているけれど物語をかき回し、推進する力は駒澤春香が演じる学生の女。アイドルになりたいと屈託なく思っている、というテンションの高い役は最初こそその無茶さ加減を感じるものの、物語をきちんと押し進める要となる果たすべき役割がしっかりとしていてやがて安心できるのです。
母親を演じた青柳孝子は無茶な年齢の落差をきちんと。時にコントのようですらあるけれど。娘を演じた青木千夏は鬱屈する気持ちを秘め続けるポジションをしっかり。
物語がゆっくり進むところと、早回しにするところのバランスなどアタシが見慣れた芝居の感覚とは少し違和感を感じるところもあります。それがこの土地のものなのか、彼女たち特有のものなのかはまだわかりません。
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