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2010.05.04

速報→「パラデソ」タカハ劇団

2010.5.3 15:00

タカハ劇団としては二年ぶりの新作だといいます。気持ちを細やかに描き出す力の冴える80分。11日まで「楽園」。当日パンフにあるとおり、居酒屋という設定もあり容赦なくたばこの煙が上がりますので気にされる方は早めにスタッフへ(指定席だけど振り替えてくれるようです)。

静岡の個人経営の居酒屋、雨も降り夜遅くなってきてそろそろ店じまいしようかとおもった矢先、喪服姿の男女6人が訪れる。古い友人の通夜帰りらしい。11年前、子供の頃近くの施設で親たちと共同生活をしていたらしいが、その後あるきっかけで散り散りになって、ほぼ10年ぶりぐらいに再会する人々。

居なくなった人のことをさまざま語る友人たち、小劇場ではわりと王道のフォーマット。そこに「教団」という少々のスパイスを強めに効かせて。教団とコミュニティの対立のようなことをことさらに描くというよりは、むしろ、そこにいる、かつての友人たちを絶対的に隔ててしまった何か、ということとしての装置として働かせている感じがします。

ねたばれ

それはおそらくは教団という形をとらなくてもいいと思うのです。何か、決定的に隔ててしまったなにか。話を進めてみれば、確かに異質だし「気持ち悪い」けれど、この集団が崩壊したのは本当に些細なこと。さらりと描かれる抜けた人々の「ホンモノ」感も集団のちょっと不思議な感覚。「曲がれスプーン」がちょっと似た感じの描かれ方だったけれど、オカルトはオカルトとして、そこはさらりと流して人々の想いに集中。早すぎる死、そこへの想いが語られる雰囲気のいい居酒屋、実にいい雰囲気で心に沁みるのです。

女三人の恋心を巡る諍い、怪しげな占い稼業、つぎつぎでてくる「ホンモノ」感と、後半はかなり笑わせる感じに一気に突っ走ります。最初はしんみり語っていても酔っぱらうにつれての徐々に暴走する感じは、なんかアタシのこういう場の雰囲気の印象によくあっている感じで印象的です。

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