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2010.05.30

速報→「しゃぼんのころ」マームとジプシー

2010.5.29 14:00

アタシは初見です。女子中学生たちの切実な日々の会話はアタシのど真ん中に。100分。31日までSTスポット。

女子中学生。よく三人でつるんでいる。ある日同級生の女子二人が学校をさぼって、学校が見える丘で野宿を始めると聞いた一人は、ちょっとそれまでの友達となじめない感じもあって、その野宿に参加することにする。そこには一ヶ月前から飼っている猫がいる。

友達と一緒にいること、それをうざったいと思うこと、好きな人ができること、少々の不安定さと距離間を測ったり測りかねたりする日々のあの感じ。「女子」にはまた別の物差しがあるだろうし、男子なアタシの感覚とはたぶんちょっと違うのだろうけど。あのころは自分の軸では筋が通っていた行動でも、ほかから見れば唐突で不安定で突飛な行動をする中学生の、その「理由」の視点を丁寧に積み重ねていき、やがてその「理屈」が自分のなかにしっかりと積み重なっていくのです。

ちょっと浮いてる風の風紀委員も、体が硬いのにクラシックバレエをやめない子も、早々粗暴な彼氏も、木訥で家の手伝いに追われて学校にこられない同級生の男の子も、家出している二人組、みんな懸命で、全力で生きているそれぞれの理屈も視点もこのわずか100分の中で丁寧に描き出す感じ。

快快が時折描く、「世間の風景の中で独りなんだという寂しさ感」というか、そういう感覚はなるほど中学生の視点もできっちり描けるのだなあと思うのです。自立したいと思ったり、人との距離が「見えてくる」この年代だからこそみえるダイナミックさを持っていて印象に残るのです。短いスパンでリフレインされるシーンは違和感こそありませんが、ストレートにみたい感じも。もっとも、このシーンのつなぎ方が舞台全体のリズムやダイナミックさ、頭で思い浮かべていることという感じを表現しているようなきもしますので、もしかしたら大切な要素なのかもしれません。

役者たちの実年齢がいくつかは知りませんが、中学生っぽさのようなものは満点に近く、それはことさらにデフォルメするのではなく、かといって大人が演じている感じとも違う、リアルな雰囲気をしっかりと持っています。 役者はみな中学生の揺れ動くニュートラルを好演してかわいらしい。ことに、ふうこを演じた召田実子は台風のようにパワフルで楽しい。たえを演じた斎藤章子は風紀委員っぽい空回り具合が楽しく印象に残ります。

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