速報→「幸せを踏みにじる幸せ」ジェットラグP
2010.5.29 19:30
谷賢一の新作はジェットラグのプロデュース公演。110分。31日までタイニイ・アリス。
まるで山歩きの団体のように楽しげな人々。実は自殺したい人々が富士の樹海にいって、最後のひととき過ごしている。いざ決行の段になって、男が騒ぐ。自殺防止団体で働いている彼はこの団体に混じってきて、止めようと試みる。
が、それは失敗に終わり自殺志願者たちは彼も自殺と見せかけて全員が自殺できるように遺書を書かせようとする。監禁して、交代で制裁を加えつつ、遺書を書くように勧める。
自殺に向かって一丸となっていたはずのパーティーの中の裏切り者。そのひとりの監禁と暴力を繰り返していくうちにそれが日常になっていき「生き続けて」しまう人々。やがてそれも行き詰まり、また破滅の方向へ向かうのは、ちょっと作家の陰が見え隠れ。
少々無茶、とはいいながらも、一歩間違うとリアクション芸人の体を張った芸になりかねない中盤をぎりぎりのところで踏み答えます。良くも悪くも、玉置玲央をメインに据えた物語で、役者に高い負荷をかけながらも舞台の中央に出ずっぱり。大昔、東京オレンジが堺雅人を舞台の真ん中に置いたままほとんど動かさないというのをやったことがありますが、それをちょっと思い出します。
反面、これだけの芸達者をそろえて、こういう要素でしか使わないのか、というのは贅沢といえばそうだけど、少々もったいないというか物足りないというのは、ジェットラグというプロデュースでは何度か感じた感想。
我妻三輪子は初見ですが希望の要として百花亜希とともに魅力。小松美睦瑠は飛び道具というか男運の悪い女王キャラというのはどうなんだと思いつつ安心してみてしまいます。永山智啓は出落ちなキャラクタはともかく、終盤のちょっと怖い感じも魅力的。
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「昼だけど前夜祭」劇団チリ(2024.09.16)
- 【芝居】「朝日のような夕日をつれて 2024」サードステージ(2024.09.08)
- 【芝居】「雑種 小夜の月」あやめ十八番(2024.09.01)
- 【芝居】「ミセスフィクションズのファッションウイーク」Mrs.fictions(2024.08.30)
- 【芝居】「氷は溶けるのか、解けるのか」螺旋階段(2024.08.27)
コメント