速報→「北と東の狭間」JACROW
2010.5.16 15:00
本編90分。16日までサンモールスタジオ。
中国人女性たちの働くクラブ。ダメになった人間、ヤクザや食い物にする人々などが集う。婚約破棄をし借金を抱えた男が連れられてくる。とある会社の社長が囲う愛人が送還されないように、借金を棒引きにする代わりに偽装結婚をすることになる。
中国人のおそらくは不法入国者の女たち、そのまわりの男たち。偽装結婚というかたちから始まる純粋な愛もあれば、働かない夫にむしりとられるような暮らしをしていたり、あるいは婚約しているのに店の女にのめり込んでしまう男がいたり、あるいはギャンブルの底なし沼にはまってしまう男たち。いわゆる裏社会の弱者・強者たちの関係はパワーゲームにはならず、その関係が入れ替わることがないのに人々の悲しさ。
何かのドラマの流れや構造で見せるというよりは、ある断面を切り取って提示した世界の中にシンプルな愛情の物語を埋め込んで見せます。不自由ない生活の金よりも、一口の餃子を喜んで食べてくれる男に気持ちが振れていくシンプルな愛情の物語。 随所に入る中国語はもちろんアタシにはなにを言っているか、わかりませんが、語調や表情だけでもきちんと伝えられるというのはたぶん洋の東西を問わない想いのものがたりだからなのです。 この手の店にはとことん縁遠いアタシですが、廊下の様子を壁を切り取って見せるのはちょっと巧い感じ。反面特に前半部分で短い間隔で暗転が続き、ぶつ切れの印象が残ります。
清水奈保を情が深い、という使い方にするのは珍しい感じだけれども雰囲気によくあっています。その彼女に愛情を注ぐ男を演じた橋本恵一郎の誠実っぽさ、根津茂尚の社長役というのは滅多にない感じだけれど、よくあっています。
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